加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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問題文読了・答案構成に時間がかかる原因と改善策

私は、情報処理が苦手で、司法試験の問題文を読み、答案構成を終わらせるまでで、1時間ほどかかってしまいます。答案構成完了までの時間を短くするための方法として、何かありますでしょうか。ひたすら司法試験過去問の問題文を読みまくり、慣れることで情報処理の速度を上げるしかないのでしょうか。

問題文読了・答案構成では、基礎学力的なものとして、読解力・思考力を使うことになります。私の経験上、大学受験を終えるくらいの年齢に到達してからは、読解・思考そのものの速さは、下がることはあっても、上がることは稀であると思います。なので、司法試験過去問の問題を読んで答案構成をやるということをがむしゃらに繰り返しても、問題文読了・答案構成の速度は上がらないと思います。仮に、その方法で問題文読了・答案構成の速度が上がったとすると、速度が上がった分だけ読解・思考が雑になっているはずですから、意味がないどころが有害であるとも思えます。

もっとも、読解・思考そのものの速度を上げることができなくても、司法試験の論文問題における読解・思考の速度を上げることは可能です。例えば、司法試験の問題文と同じ量の小説ならば、司法試験の問題文の数分の1の時間で読み終え、概要をまとめることができると思います。にもかかわらず、司法試験の問題文だと小説に比べて何倍も時間を要するのは、1文あたりの情報量が多い上、法律知識を前提として問題文の記述を意味づけたり、条文・論点等を抽出したり、何をどういった流れで書くべきかについて構成するといった、法律知識を前提とした読解・思考を要するからです。

法律知識を前提とした読解・思考の速度は、法律知識の量を増やす、法律知識の定着度を高める、事案と条文・論点等の対応関係を事前に記憶しておく、科目・分野ごとの思考・読解のコツを掴むといったことにより、上げることができます。

司法試験の問題文の読了・構成に1時間もかかっている主たる原因は、元々の読解・思考の速度ではなく、上記の工夫が不十分であることにあります。

インプットとアウトプットを通じて、情報処理のための知識とコツを鍛えていきましょう。

2020年10月12日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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