加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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問題提起も書く必要があるのか

予備校答練で、論点はほぼ外していない、当てはめにも点数が入っている、それにもかかわらず、「問題提起をきちんと書きましょう」といった指摘に基づき、点数を引かれていました。私は、時間がなかったので、答案の形式よりも中身を優先するために、問題提起を飛ばしたのですが、問題提起もした方が良いのでしょうか。

問題文を読んで考えたことのうち答案に反映するものは、①配点項目に直接該当するであろうと判断したこと(条文操作、論証、当てはめ等)と、②採点者に予測可能性を与えるために必要とされる説明(問題提起をはじめとする前置き)の2点です。

採点者は問題文・解答筋を熟知している法律の玄人であり、似たような答案を複数採点しているのが通常ですから、問題提起をはじめとする前置きのうち、②採点者に予測可能性を与えるために必要とされるものはかなり限られます。

既存論点の問題提起であれば、原則として省略して構いません。仮に書くとしても、論証や当てはめとの重複を避けるために、できるだけ短くするべきです。これに対し、 現場思考論点のうち、問題の所在の把握で差がつきやすい論点では、問題提起を長めに書いても構いませんし、むしろそれが望ましいこともあります。現場思考問題では、問題の所在把握がいい加減だと的外れな方向性の解釈を展開してしまう危険がある一方で、解釈の中身について時間をかけて考えてもさほど説得力のあることを思いつかないのが通常ですから、的外れな方向性の解釈を展開することにならぬよう、問題の所在把握に時間をかけるという意味でも、問題提起を書いたほうが良いと思います。

それから、③作成者側の思考整理のために必要なことも、①又は②に該当しない限り、答案に書いても点が付きませんから、答案には書かないようにしましょう。

2020年10月01日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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