加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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第三者の自白調書の証拠能力の論じ方

某予備校の模試で第三者の不任意自白を共犯者たる被告人との関係で証拠として使えるかという問題が出題されました。これは、秒速・総まくり2020刑事訴訟法148~149頁における「第三者の不任意自白が公判廷において被告人の有罪の証拠として用いる場合」の論点だと思ったのですが、解説によると「この設問では、本件調書が原供述者である甲に対してではなく乙(第三者)に対する証拠との関係で用いられる場合の証拠能力が問われている‥甲の原供述は、乙との関係では自白ではないため、自白法則は問題とならない。」として、伝聞法則の話に流していました。総まくりの論証枠内の立場ですと、刑事訴訟法319条1項の準用が問題になる場面だと思ったのですが、この解説通り伝聞証拠として処理しなければならないのでしょうか。

第三者の自白調書の証拠能力が公判廷で問題になっている場合のうち、令和2年司法試験設問2のように設問により伝聞法則の検討が除外されていないときは、①自白法則の適用の有無と②伝聞法則(伝聞証拠該当性及び321条1項3号該当性)を区別した上で、①⇒②という流れで論じるべきです。②にも配点があるため、①では、論証の枠外の有力説に立ち、証拠能力を肯定するべきです。

その上で、②に入り、伝聞証拠該当性を肯定した上で、321条1項3号の絶対的特信情況の検討過程において、不任意自白であるという事情を表現の誤りを基礎づけ得る外部的附随事情として取り上げることになります(虚偽排除説からだと説明しやすいです)。

2020年09月19日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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