加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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原告適格の検討過程では、関係しそうな条文・内部基準の全てに言及するべきか

平成28年司法試験のように、設問数が多く、個別法を含む問題文の情報量が多い問題では、原告適格の検討過程で原告適格を基礎づける条文等の全てに言及することは不可能なのではと強く感じました。この場合、条文等についてどれくらい言及すれば、500~1000番に入れるのでしょうか。

原告適格では、おそらく、条文等(条文、内部基準、被侵害利益の内容性質)の一つ一つに配点があると思われますから、網羅的に言及すれば、その分だけ点数が入ります。もっとも、中には配点がない条文等もあるかもしれませんし、配点の大小も条文等によって異なります。原告適格は書こうと思えばいくらでも長く書けてしまう論点であるため、簡潔にまとめるという思い切りとそのための技術が必要です。条文等についていえば、「少なくとも公益として保護されているか⇒個別的利益として一定範囲で保護されているか⇒一定範囲の線引きをするための基準を定立」という各過程において「核」となるものに言及することができていれば、500番~1000番に入ります。

それから、簡潔にまとめるための「技術」としては、次の3つの視点が重要です。
①判断枠組みはできるだけコンパクトに書く。丁寧さに比例して点が伸びるわけではないから。
②複数の原告で規制規範(処分要件の一つ)が共通するのであれば、人単位ではなく規制規範単位で大きく括り、不利益性・当てはめで人ごとに分ける(「別冊法学セミナー 新司法試験の問題と解説2009」42~50頁(担当:角松生史教授)参照)。
③「線」の長さよりも「点」の多さを重視する。原則として、特定の考慮事項(要件規定、目的規定、その他の規定、関係法令、内部基準、利益の内容性質)について丁寧に論じるよりも、淡白な論述で複数の考慮事項に言及したほうが点が伸びる。丁寧さよりも網羅性が大事。

2020年09月07日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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