加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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学説が違憲審査基準を採用している領域

憲法の違憲審査において、『学説が違憲審査基準を採用している領域では、利益衡量論に立っている判例を「違憲審査基準の定立・適用」という枠組みに引き直して理解・使用する』(総まくり論証集8頁より引用)とありますが、学説が違憲審査基準を採用している領域とは具体的にどのような領域のことなのか、よくわかりません。ご教授いただければ幸いです。

ここで言っている「学説が違憲審査基準を採用している領域」とは、学説において、保護領域(人権としての保障の有無)→制約の有無→目的手段審査を内容とする違憲審査基準の定立→目的手段審査による当てはめという枠組みが採用している領域を意味します。

具体的には、

  • プライバシー権、自己決定権などの新しい人権(憲法13条前段)
  • 平等権(憲法14条)
  • 思想・良心の自由(憲法19条)
  • 信教の自由(憲法20条1項前段)
  • 表現の自由(憲法21条1項)
  • 集会・結社・デモ行進の自由(憲法21条1項)
  • 消極的表現の自由(憲法21条1項)
  • 職業の自由(憲法22条1項)
  • 居住・移転の自由(憲法22条2項)
  • 学問の自由(憲法23条)
  • 婚姻の自由(憲法24条1項)
  • 選挙権(憲法43条1項、15条1項・3項、44条但書)
  • 労働基本権(憲法28条) などです。

反対に、具体的生存権(憲法25条)、教育決定権(憲法26条1項)、財産権(憲法29条1項)、権利制限ではなく制度形成として論じる場面(婚姻制度、生存権、選挙制度など)は、「学説が違憲審査基準を採用している領域」に当たりません。判例または学説による分野ごとの違憲審査の枠組みがありますから、それを用いて論じることになります。

2024年02月19日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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