加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

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来年の司法試験在学中受験に向けた学習スケジュール

お世話になっております。
現在既習1年目のロー生です。
来年度の在学中受験を想定して質問があります。
現在は先生の司法試験過去問講座を受講し終わり、再度復習として、答案構成レベルで2周ほど過去問を解いたところです。
過去問については、問をみてどの論点か(論証を使うか)を判別できる程度です(論証はまだ正確に暗記はできていない状況)。
この前のTKCの模試では短答は平均-20点という結果でした。

これからのスケジュールですが、大学院の夏休みに短答を一周する予定なのですが、論文式試験対策としては、やはり過去問を検討することを繰り返すのが最適でしょうか(論証の暗記を含む)それとも、予備試験や旧試の過去問、その他問題集を解いてみるのがよいでしょうか。
抽象的になり申し訳ございませんが、ご回答のほどよろしくお願いいたします。

TKCの短答模試で平均-20点であるのは、短答過去問を1週もしていないため、短答固有の知識が身に付いていないとともに、読解思考重視の問題(憲法と刑法に多く、民法ではほぼなし。)の解き方を知らないからであると思います。また、民法と刑法では論文知識だけで解ける問題も少なくないため(特に、刑法は、半分近くが論文知識で解ける問題です。)、論文レベルのインプット出来ていないことも理由の1つであると考えられます。したがって、これから短答過去問をやり込むとともに、試験に向けて論文知識のインプットを進めていく過程で、自然に短答の点数が上がっていくと思います。

論文対策としては、定義・論証を正確に記憶することは試験前(大学中受験であること踏まえると、試験半年前からインプットを開始するべきです)にやればよく、今は、過去問の傾向に慣れる、事案と条文・論点の対応関係を記憶する(解答筋レベルのことで間違えないため)、頻出分野・論点における答案の書き方(処理手順、規範の正しい運用など)を常識化するといったことに重点を置くべきです。特に、過去問の傾向に慣れることと、頻出分野・論点における答案の書き方の定着には時間を要するため、今からやっておく必要があります。

司法試験過去問だけをやり込んでも、どうしても知識に穴が生じます。例えば、出題範囲の偏り強い行政法・刑事訴訟法でさえ、司法試験過去問で出題されていない重要分野・論点がいくつもあります(行政指導を理由とする許認可の留保、理由の提示、申請型義務付け訴訟、国家賠償法2条、一事不再理効など)。なので、司法試験過去問以外の問題演習もやるのが望ましいです。演習素材としては、過去問であれば、旧司法試験過去問ではなく、予備試験過去問にするべきです。なお、基礎問題演習講座には司法試験対策としてやるべき予備試験過去問、旧司法試験過去問(刑訴、民訴)も反映されているので、基礎問題演習講座を受講するのが論文対策として効率的かつ確実であると考えます。

それから、司法試験過去問講座に付属している総まくり論証集の記述を自分の表現・短さに修正するなどの作業的な勉強も進めていく必要があります。勉強のやり方にもよりますが、試験直前期に反復する教材が演習教材ではなく総まくり論証集であるならば、司法試験過去問をはじめとする演習で身に付けるべき重要部分を総まくり論証集に反映する(メモする、縮小コピーして張り付けるなど)ことにより、試験直前期に効率的な総復習をするための準備も進めていく必要があります。

参考にして頂けますと幸いです。

2023年05月11日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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