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敷金返還請求権の存在確認を求める訴え

基礎問題演習講座第17問、敷金返還請求権を確認対象とする訴えの確認の利益の問題についての質問です。
確認訴訟の実益として問題文で誘導されている内容について、参考答案で方法選択の適切性として当てはめているかと思うのですが、確認対象の適切性として当てはめることは可能でしょうか。

基礎問題演習講座第17問は、敷金返還請求権の存在確認を求める訴えの確認の利益に関する問題です。

敷金返還請求権の存在確認を求める訴えは、明渡時に発生する具体的な敷金返還請求権を確認対象とする場合には、将来の権利又は法律関係を確認対象とすることになるため、原則として確認対象の適格性を欠くことになります。この場合、明渡時に発生する具体的な敷金返還請求権を確認対象としたほうが確認訴訟が有する紛争の直接かつ抜本的な解決の機能が果たされることになるのではないかという観点から、例外的に確認対象の適切性が認められるか否かを論じることになり、その際に、設問の誘導部分に言及することになります。

これに対し、条件付き権利としての敷金返還請求権を確認対象とする場合には、現在の権利又は法律関係を確認対象とすることになるため、更に別途、紛争解決面での実効性に言及するまでもなく、確認対象の適切性が認められます。したがって、問題文の誘導部分については、確認対象の適切性ではなく、方法選択の適切性で論じることになります。

私の答案では、本問の紛争状況を踏まえて、後者の法律構成を選択しているため、問題文の誘導部分は、確認対象の適切性ではなく、方法選択の適切性で論じることになります。

2023年04月06日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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