加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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司法試験論文の「憲法」は三者間形式と法律意見書形式のどちらで勉強するべきか

お世話になっております。
過去問講座の憲法では、対立形式の解説解答も配布されるとのことでしたが、学習に際してはどのように取り組めばよいでしょうか。
2パターンの勉強をすべきということでしょうか。それとも新しい方式のみ勉強すべきでしょうか。
よろしくお願いいたします。

令和4年司法試験の憲法では三者間形式が出題されましたが、今回の三者間形式の問題は、大学側の合憲主張を出発点としてこれに対する研究者側の反論を踏まえて自説を展開させるものであり、原告・被告人の違憲主張を出発点として違憲主張をフルスケールで展開させる平成29年までの三者間形式とは異なります。

また、令和4年に三者間形式が出題されたからといって、来年以降の三者間形式が続くとは限りません。出題者が、問題との相性を踏まえて、法律意見書形式よりも上記の三者間形式の方が問答を検討しやすいと考えて今年は上記の三者間形式にしただけという可能性も考えられますので。

さらに、自説ベースの法律意見書形式は、自説→論点についての反論→自説という流れに書くものであり、この書き方は三者間形式のベースになるものですから、法律意見書形式でちゃんと書けるようにしておけば三者間形式にも対応することができます。

加えて、出題形式に従った答案の書き方は新しい過去問でやれば足り、古い年度の過去問では出題形式に従った書き方ではなく論点をはじめとする論述の観点に重点を置いて学ぶべきです。

したがって、平成29年までの問題については、法律意見書形式をメインで勉強しつつ、三者間形式のイメージを掴むために軽く三者間形式でも勉強をしておくというやり方がいいと思います。

2022年10月14日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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