加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

令和2年司法試験合格者 金東煥(きむどんはん)様

金東煥(きむどんはん)様
出身大学:中央大学法学部、神戸大学法科大学院(既修)
受験回数:1回
総合順位:労働法91~115位

プロフィール

金東煥(きむどんはん)様
中央大学法学部 卒業
令和2年 神戸大学法科大学院(既修) 卒業
令和2年 司法試験 合格(受験1回目)

 

成績

労働法 61.39点(上位10~13%)

 

受講講座

2019年版労働法完全対策パック(労働法速修テキスト講義+労働法過去問完全攻略講義)(BEXA)

 

加藤先生の講座を選択した経緯・理由

私は、学部生の頃から労働法に興味を持っており、司法試験の選択科目は労働法にしようと決めていました。労働法は範囲が広いことから、予備校講座を利用し効率よく勉強したいと考えていました。加藤先生のことは、学部生の頃からブログ等を通じて知っており、司法試験を意識した実践的な指導をされていると感じました。また、加藤先生は司法試験労働法で1位を取られており、積極的に司法試験労働法の情報を発信されていることから信用できると思い、加藤先生の労働法講義を受講しました。

労働法速修テキスト講義の特徴はなんといっても、網羅性の高さと、実践的な答案の書き方を学べることにあると思います。

労働法は、論点主義的な採点がされています(これは、加藤先生が講義中に言及されていたことです)。そのため、判例知識に漏れがあることは、点数を著しく下げる原因になります。速修テキストは試験範囲を網羅しており、「このテキストさえ完璧にすれば、本番は大丈夫」と安心することができました。テキスト自体の分量は多いですが、加藤先生が講義中に、押さえるべき優先順位をランク付けしてくださるので、効率よく学習することができました。網羅性が高い分、ロースクールの予習・復習でも労働法速修テキストを重宝しました。

 

講座・教材の使い方

(1)労働法速修テキスト講義を約1カ月で受講する

私は、労働法速修テキスト講義を約1か月ほどで受講し終えました。

ここで意識したことは、先生が講義でおっしゃっていたことを可能な限りメモすることです。

労働法は暗記する量が多く、考慮要素まで覚えなければならない論点も少なくありません。そうした暗記が無味乾燥なものにならないように、テキストの復習の際には、授業中のメモを読みながら講義内容を想起するようにしていました。

(2)労働法速修テキスト講義の受講後、事例演習労働法の問題を答案構成し、該当箇所を労働法速修テキストで復習する

速修テキスト講義を受講した後は、授業範囲の問題演習に移りました。演習には「事例演習労働法」(著:水町勇一郎)を使いました。

具体的には、答案を書くことはせず、15分~20分で答案構成をして、解説を読み、該当箇所を速修テキストに戻って復習をしました。

ここで意識したことは、自分が速修テキストで学んだことをどう答案に落とし込むのか考えながら取り組むことです

実際に問題演習に取り組むことで、理解不足や暗記できなかった論証を明確にすることができます。また、「問題演習→速修テキストに戻って復習」という流れにすることで、記憶も定着しやすかったと思っています。

(3)事例演習労働法を終えてから労働法過去問完全攻略講義を受講する

事例演習労働法の問題を一通り答案構成した後は、過去問演習をしました。

具体的には、「時間を測って答案を書く→過去問完全攻略講座を受講する→できなかったところを確認し、該当箇所を労働法速修テキストに戻って復習する」という流れで行いました。

ここで意識したことは復習です。自分が速修テキストで学習したことが過去問でどのように問われているのかを意識して、両者をリンクさせるようにしました

(4)労働法の答案を書くべきかについて

労働法の答案を書くべきかについてですが、個人的に他の科目(特に公法系、刑事系)に比べると優先順位は低いと思います。

労働法では、決まった処理手順があるというよりは、論証の正確性と、判例を意識した当てはめが評価される科目です。

そのため、勘を鈍らせないために週1回ペースで答案を書きつつ、インプットに力を入れました。具体的には、司法試験過去問、事例演習労働法について、「答案構成→該当箇所を速修テキストに戻り復習」という流れで繰り返しました。

 

講座・教材が令和2年司法試験でどのように役立ったか

(1)出題内容との関連性について

加藤先生の出題予想は的確でした。特に今年の第1問は、先生が講義でAランクしている箇所でした。難しい問題でしたが、速修テキスト講義の内容を思い出して書くことができました。

第2問は、個人的に現場思考を含む難しい問題だと思いました。加藤先生は、労働法過去問完全攻略講義で、「わからない論点があっても逃げないこと。条文の文言を解釈して規範を定立すること。請求の内容、用語の定義を正確に書くこと」とおっしゃっていました。私は、上記のことを意識して答案を書くことで、難しい問題でも相対的に上位を立つことができました。

(2)方法論について

労働法速修テキスト講義と過去問完全攻略講座では、労働法だけに限らず、全科目に共通する答案の書き方を学ぶことができます。特に、私は答案の分量を書けないので、加藤先生から決められたページ数の中で圧縮して答案を書く技術を学べたことはとても参考になりました。答案の分量を書けない方は、「どうすれば、答案の分量を書けるのか」を考えるよりも、「どうすれば、答案の分量を減らせるのか」を優先して考えると合格に近づけると思います。

また、加藤先生の講義では、速修テキスト講義の段階で答案に使える実践的な知識の使い方を学習することができます。例えば、配転命令の「必要性」について、抽象的に考えるのではなく、目的を明らかにした上でそれを達成する手段として必要であるかについて検討するということを学習し、これは、憲法や刑事訴訟法でも共通する重要な考え方です。

(3)教材について

加藤先生のテキストでは試験に必要な知識が網羅されているため、基本的に先生のテキストのみで試験対策は完結すると思います。速修テキストでは、判例が多く引用されているため、判例百選(有斐閣)をはじめとする判例集については、解説を読む以外には使用しませんでした。速修テキスト自体、分量はかなり多いですが、加藤先生が押さえるべき優先順位を明確に示してくださるため、特に負担は大きくなかったです。また、「このテキストさえ完璧にすれば、本番は大丈夫」と思えたことは、勉強に対する大きなモチベーションになりましたし、精神衛生上もよかったです。

速修テキスト講義では、単なる判例解説だけではなく、実践的な答案の書き方を学習することができます。労働法の答案は、書こうと思えばいくらでも膨らませて書くことができ、4頁でまとめることは難しいです。加藤先生の講義では、厚く書くべきところ、あっさり書くべきところをメリハリづけて教えてくださいます。論証の具体的な論理の流れについても解説してくださるので、記憶にも定着しやすかったです。

労働法過去問完全攻略講義では、4頁という限られた紙面の中で最大限点数を取るための方法を学ぶことができました。労働法は、論述に濃淡をつけて書かないと、答案用紙が足りなくなるおそれがあります。本講義では労働法特有の答案の書き方(判例を意識した論証の書き方、考慮要素を正確に示す、判例を意識したあてはめの仕方)や時間が足りなくなった場合の論述の取捨選択について的確に指導してくださるので、本番でもとても役立ちました。

労働法過去問完全攻略講義では、加藤先生が全年度の過去問を答案例つきで解説してくださるので、一貫した答案の書き方を学ぶことができます。一般的な予備校の過去問答案例では完全解が示されることが多いです。それ自体は有意義なことですが、本番で実践することは難しいです。加藤先生は、常に試験の現場で実践できる答案例を示してくださいます。私自身、答案の分量はかなり少ない方だったので、先生の答案を圧縮する書き方はとても参考になりました。

 

これから司法試験・予備試験を受験する方々へ

労働法は、他の選択科目よりも分量が多いため、コストパフォーマンスの悪い科目だと捉えられることが多いです。一方で、労働法は判例ベースの出題が多く、判例知識さえあれば、得点が安定すると思います。労働法速修テキスト講義と労働法過去問完全攻略講義では、試験に必要な知識を効率よく学習することができます。

学習して暫くは、覚えては忘れることを繰り返すことになると思います。ここで、辛抱強く、速習テキストを復習と、過去問の答案練習を愚直に頑張れば、試験直前には安定して点数を取れるようになると思います。

頑張る皆さんを応援しています。

講義のご紹介
もっと見る

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ