加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

平成30年司法試験合格者 K・S 様

K・S 様(男性)
出身大学:私立大学法科大学院(既修)
受験回数:3回
総合順位:1163位

プロフィール

K・S 様(男性)
平成28年 私立大学法科大学院(既修)卒業
平成30年 3回目の受験で平成30年司法試験に合格

 

受講講座

  • 平成30年司法試験合格目標加藤ゼミ(東京クラス)

 

成 績

平成30年
総合 1163位/受験者5238人 839.83点
論文 1160位 405.05点
公法系 89.90点 (憲法E 行政B)
民事系 163.74点(民法A 商法A 民訴B)
刑事系 105.99点(刑法B 刑訴A)
選択科目 45.50点
短答 1403位 131点(38点/52点/41点)

平成29年
総合 1887位/受験者5967人 767.24点
論文 1840~1850位 369.28点
公法系 84.06点 (憲法E 行政D)
民事系 135.64点(民法B 商法C 民訴E)
刑事系 100.76点(刑法A 刑訴D)
選択科目 48.80点
短答 2342位 121点(36点/58点/27点)

 

加藤ゼミを選んだ理由

私は、初回受験では短答で不合格、2回目受験では論文で不合格、今年3回目の受験で最終合格をすることができました。

初回受験は短答落ちであったため論文の採点を受けることができませんでした。そのため、自分の論文の実力がどの程度なのか、勉強方法は間違っていないのかを検証する機会がなく、2回目の受験に向けては、大学院在学中から初回受験まで続けてきた論文の勉強方法を継続することにしました。その結果、2回目の受験では論文で不合格となってしまいました。選択した教材については十分に消化していたにもかかわらず不合格となってしまったため、それまで続けてきた勉強方法では来年も同じような点数しか取ることができないと考えました。

ではどうやって勉強すればよいのかと悩んでいたところで、加藤先生の過去問攻略講座のサンプル動画を見ました。解説内容が非常に具体的で、答案を書く際の考え方、書き方がとてもクリアに理解できました。このような実践的な指導を受けられるのであれば、問題の解き方が変わると感じました。そして、せっかく加藤先生の指導を受けられるのであれば、講座を通信で受講するのではなく、ゼミ形式で学びたいと考えました。ゼミ形式では、過去問解説だけでなく答案添削を受けることができるし、実際に先生や受講生の方々と顔を合わせることでモチベーションにもなると考えたからです。このように考えて、加藤ゼミに参加させていただくことにしました。

 

加藤ゼミのカリキュラムについて

  • 再現答案を使った個別面談
    個別面談では、再現答案に対するコメントや今後の勉強方針についての相談をしました。私は、各科目の敗因分析や今後使用する予定の教材等を私なりに事前に考えて、それを加藤先生に見ていただくこともしました。個別面談は先生の指導を受ける最初の機会なので少し緊張するかもしれませんが、科目ごとの弱点や今後の勉強方針などをまとめて相談する貴重な機会なので、気になることはすべて相談して有意義な時間にしてほしいと思います。
  • 答案添削
    答案添削では、提出した答案の点数及び評価、答案全体の総評、それぞれの記述へのコメントをしていただきます。通常の答練の添削とは異なり、先生が受講生の実力や特性を理解した上で添削してくれるため、受講生のレベルに合わせたコメントとなっており、添削内容を自分の中に落とし込みやすかったです。
    記述へのコメントにはさまざまなものがありますが、細かい論点の理解に関するコメントの比重は小さく、典型的な処理手順(例えば、憲法の手段審査、刑訴の任意捜査の相当性など)を正しく理解して書けているか、全般的な答案の書き方(例えば、民法の相続法では条文指摘を落とさないこと、刑法では規範とあてはめの上手な書き分け方など)の指導の比重が大きいと感じました。これらのコメントは次年度以降の受験に必ず役に立つものであるため、合格にとって非常に有意義でした。実際、過去問で身につけた考え方・書き方を本番で意識することは非常に多く、私が合格できたのはゼミで身につけた考え方・書き方のおかげだと思います。
    また、自分ではそれなりに書けたと思っていたのに、答案の点数・評価が低い場合が時々ありました。その原因としては、理解不足であった場合と書き方に問題があった場合などがありますが、特に後者の、書き方に問題があったために点数が悪い評価をもらった場合には、絶好の成長のチャンスだと考えました。私の例ですと、平成27年司法試験の刑事訴訟法の課題で、論点も大体拾いコンパクトにうまく書けたと思っていたのですが、添削結果はF評価でした。添削コメントを読んでいくと、刑訴では規範定立をしっかりしていないことが致命的だということが分かりました。この時の衝撃を忘れずに答案練習をすることで、試験本番でも規範をきちんと明示して答案作成することができました。不合格にはさまざまな原因があると思いますが、こうした書き方での失点は非常にもったいない上、自分では気づきにくいものなので、先生の添削を受け止めて答案作成に反映させてほしいと思います。
  • 過去問解説
    過去問解説では、解説レジュメに沿った出題趣旨の解説と、模範答案やモニター答案を使った答案指導がされます。
    解説レジュメに沿った解説では、適宜出題趣旨や採点実感にも言及して、どのような論述が求められていたのかを説明していただけます。私もかつては自力で出題趣旨や採点実感を読み解いていたのですが、いまから考えるとほとんど正確に理解できていなかったと思います。自力で読み解くことが困難な出題趣旨等を論点ごとに分解して解説してくださるため、いわば答案の理想形を知ることができます。
    もっとも、合格に直結したと考えるのは、模範答案やモニター答案を使った答案指導です。解説レジュメで説明したことを実際の答案に落とし込むとどのような書き方になるのかという点が強く意識されています。模範答案で書かれている頻出分野・典型論点の論述例は、試験に出たときそのまま正しく書くことができるように、丸暗記する勢いで復習していました(例えば、行政法の違法主張のパターン化、商法の責任問題の書き方、刑訴の強制処分該当性の問題提起など)。その甲斐あって、試験本番でも模範答案とほぼ同様の論述をすることができ得点につながったと思います。
  • 勉強会
    勉強会では、一週間に一科目(6~7時間)のペースで、出題可能性が高いものの過去問では扱っていない分野・論点について、時に旧司法試験・予備試験の過去問の答案例なども使いながら、解説していくものです。
    試験本番では勉強会で扱った分野から出題されたものも数多く、合格のための最後のドーピング剤といった感じです。もっとも、私の所属していた東京第3期では2月以降、ゼミでの過去問演習と勉強会を並行して受講することになり、時間的にも体力的にも非常にハードでした。勉強会のレジュメは大変充実しているのですが、それと同時にかなりのボリュームがあるため、すべての科目で完璧に仕上げようとするとかなり大きな負担がかかります。したがって、自分の得点戦略上どの科目で何をどこまですべきかを考えて、優先順位をつけて取り組んでほしいと思います。困ったときは加藤先生が相談に乗ってくれるはずですので、先生と相談しながら何をやるべきか決めるとよいと思います。

 

加藤ゼミの利用方法について

  • 基本的な勉強方針
    私が今年意識していたことは、「どの科目でどのくらいの得点をするか」という科目ごとの得点戦略をよく考えて、それに応じて勉強内容を考えることです。不合格となり敗因分析をすると、科目ごとに自分の不出来なところがたくさん見つかると思います。それらの弱点をすべて克服することは理想的ではありますが、来年の試験本番まで限られた時間しかない中で、すべて克服することは実際難しいと考えます。なんでもかんでもやろうとして結局すべて中途半端になるよりも、「この科目ではここまでは必ず得点する」という目的意識を明確に持って、そのために必要とされる答案の書き方、知識量を考え、それを達成できるような答案練習、知識のンプットに集中すべきだと考えます。得点戦略を考える際には、自分の得意不得意や科目特性を考慮して、自分に「伸びしろ」があるか(比較的簡単に点数を上げることができるか)どうかを考えるとよいと考えます。
    もっとも、「どこを直せばどのくらいの得点ができるのか」を自分で把握することは難しいです。それを理解して、科目ごとの得点戦略を考える上で加藤ゼミは大変有用でした。前述したとおり、ゼミでは理想的な答案像(何をどう書けば点数がつくか)と自分自身の弱点(なぜ点数がつかない)を指導していただけます。これによって私は、理想的な答案像と自分の答案との距離を把握することができ、得点を挙げるためにはどこを直せばよいかを明確に意識することができるようになりました。「敵」(司法試験の模範答案)と「己」(自分に足りないところ)の両方を知ることで初めて、効果的な試験対策ができると考えます。
    こうして得点戦略を考えたら、それに向けて何を勉強するかを考えます。私の場合、公法系に関しては、苦手意識があったことや書き方や考え方である程度の得点はつくことをゼミで学んだため、ゼミで扱う過去問の復習(答案の書き直し)に勉強内容を絞り、B~D評価を必ず取ろうと考えていました。民事系に関しては、民法は範囲が広く確実に高得点を取るのは難しい反面、正しい書き方や考え方を身につければ大沈みすることはないと考えて、ゼミで扱う過去問から頻出分野の書き方を学ぶこと、短答対策による知識のインプットに絞り、確実にA~C評価を取ろうと考えていました。商法はゼミで扱う内容(過去問、勉強会)を定着させることができれば高得点が取れると考えて、A評価を取るために、ゼミの復習しかしませんでした。民訴は前年、基本的な知識の理解不足という敗因があったことから、書き方よりも基本的な理解を定着させるべきだと考えました。そのため、加藤ゼミの受講だけではなく、出身大学院の教授の個人的なゼミに参加したり、適宜判例百選の解説を読んだりして、腰を据えて勉強してA~C評価を取ろうとました。刑事系に関しては、刑法は基本的な論点のインプットは既にできていたことや、ゼミの模範答案の論述例が非常にコンパクトで書きやすかったことから、論証集の復習とゼミの復習をしてA評価を取ろうと考えていました。刑訴は書き方で大きな差がつくという科目特性があり、ゼミの模範答案の論述例や勉強会資料で正しい書き方、考え方を定着させることができれば高得点できると考えて、ゼミの内容と勉強会資料の復習をしてA評価を取ろうと考えていました。
  • ゼミの受講の仕方
    基本的には、①答案作成、②疑問点のチェック、③解説動画の視聴、④ゼミに出席して疑問点の解消、⑤添削結果を踏まえた復習というサイクルで受講していました。
    ①答案作成については、基本的には、事前に論点の復習等はせずに、110分という制限時間内に作成していました。たしかに論点の規範などが思い出せない場合もありましたが、試験本番でも完璧に暗記した状態ではないと思うので、うろ覚えなりに書く練習をしました。制限時間については、私は時間管理が下手で途中答案となることが多かったことから、110分で何とかまとめ切る練習をしていました。規範が思い出せなかったり時間が足りなかったりすると、ついついオーバーして書きたくなりますが、本番でも必ずそのような極限状態になるので、自分に厳しく制限を守って練習する方がよいと考えます。
    ②疑問点のチェックについては、答案を書いていて論点の理解で分からない部分があったり、答案のまとめ方で迷ったりしたことがあった場合に、答案作成後に自分で復習して解消したり、答案提出のメールで先生に質問したりしました。疑問がたくさん生じると思いますが、それを一つ一つ解消して自分なりの書き方を固めておき、試験本番で迷わないようにすることが大事だと考えます。
    ③解説動画の視聴については、当日のゼミに先立って、他のクラスのゼミ動画を視聴していました。東京第3期は10月から開始されたため、夏の間に開講されていた他のクラスの動画を視聴することができました。私は、答案作成直後に疑問点を解消する方が定着すると考えていたことや、先生の解説内容を模範答案にメモしておきたいタイプであったため、直後に解説動画を視聴するという方法を採りましたが、このような方法で受講している方は少数であったかもしれません。同じ問題についてほぼ同様の解説を二回聞くことになるため、メリットもデメリットもあると考えます。
    ④ゼミの出席については、先生の解説内容をしっかり理解しながら聞き、必ず身につけなければならない書き方、考え方を模範答案にメモするようにしていました。後述のとおり、私は模範答案を使って復習するタイプだったので、学んだことはなるべく模範答案に一元化するようにしていました。また、ゼミでは先生に直接疑問をぶつけることや、他の受講生の質問を聞くこともできます。質疑応答で学ぶことも多かったため、自分の疑問だけではなく、他の受講生の質問も一緒に聞いていくのがよいと考えます。
    ⑤復習については、解説内容や添削された内容をメモした模範答案を何度も読み返していました。私は、論証集を反復するイメージで模範答案を反復して、頻出分野に関しては書き方ごと暗記しようとしました。また、知識として学んだことを実際に答案で表現できるようになるには答案練習が必要であるため、ゼミで扱ったすべての過去問について最低1回は書き直していました。公法系や刑事系では特に書き方や考え方が重要であると考え、試験の直前まで更に2~3回程度書き直していました。もっとも、答案の書き直しには多くの時間と労力も使うため、律儀にすべての科目を均一に書き直すのではなく、自分の得点戦略や定着の度合いに応じて、書き直すのか模範答案の復習にとどめるのかを決めるのが大事だと思います。

 

最後に

  • ゼミの受講で気を付けて頂きたいこと
    加藤ゼミでは多くのことを学ぶことができます。私は、今年加藤先生のご指導を受けることができたからこそ、司法試験の合格することができたと考えています。ご指導がなければ、勉強の方向性が分からず、昨年と似たような答案しか書けなかったはずです。昨年の不合格後、ゼミに参加して、本当に良かったと思っています。
    来年以降の受講生には、効果的にゼミを利用するために、過去問検討や勉強会から何を学び、何を改善するのかを常に意識して欲しいと想います。ただ漠然と与えられたものをこなすだけでは効果的な試験対策にならないどころか、本当に必要な勉強をスルーすることになってしまいます。試験に合格しなければならないのは貴方自身です。主体的に考えて勉強していってほしいと思います。そのような意識をもって受講すれば、来年の合格にとって非常に大きなプラスになるはずです。
  • 受験生の皆さんにお伝えしたいこと
    司法試験は「受かるべき時に受かる」ものだそうです。不合格が続き、自信喪失してしまったり、過度に深刻に受け止めている方もいるかと思いますが、「受かるべき時」が今年ではなかっただけです。去年まで必死に勉強してきたことは消えてなくなっておらず、着実に実力として蓄積されています。それを来年の合格へと結び付けてほしいと思います。
    私は幸運にも今年合格することができ、人生が再び動き始めたという感覚を持っています。受験生活はいろいろな意味で大変辛かったのですが、いざ合格してみると、結果が出るまで努力してよかった、苦労が結果に結びついて本当によかったと思っています。いま辛い受験生活の中で頑張っている方々には、どうか戦略をもって勉強をしていただき、来年合格までたどり着いてほしいと思っています。
    応援しています、頑張ってください。
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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