加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

テキストは何周するべきか?

0

たまに、「テキストは何周するべきか?」という質問を頂くことがありますが、何周するべきかは人ごとに異なります。

テキストを周回することは、目的ではなく、自分が答案を書くために必要とされる知識を身につけるための手段です。そして、答案を書くために必要とされる知識量も、記憶力も、記憶の方法も人ごとに異なります。

例えば、文章力や思考力が高い人は、その場で少ない知識を組み合わせて論証を書くことができる分、平均的な文章力・思考力の受験生に比べて、少ない知識量で答案を書くことができますから、答案に書く論証を丸々記憶する必要はありません。反対に、文章力や思考力が高くない人は、その場で記憶の欠落部分を補うことができないので、答案に書く論証をそのまま記憶しておく必要があります。このように、受験生ごとに、答案を書くために必要とされる知識量(=記憶のゴール)が異なるわけです。

また、記憶力が異なれば、当然、必要とされる知識量を記憶するための周回数も異なります。

さらに、同じ記憶力の受験生同士でも、記憶の方法によって必要とされる周回数が異なります。例えば、単にテキストを読むだけであれば、1周あたりの記憶作業が浅いのですから、その分だけ多く周回する必要があります。反対に、” 論証を暗唱できるか確認する→できなかったら何度か論証を読み込む→論証を暗唱できるか再度確認する→何回か暗唱できたら次の論証に進む ”という方法なら、単にテキストを読むだけの方法に比べて、記憶を完成させるために必要とされる周回数はだいぶ少なくなります。

あくまでも、テキストの周回は自分にとって必要な知識量を記憶するための手段であり、何周するべきかは、自分に必要な知識量、記憶力及び記憶の方法(周回の方法)によって異なるわけです。

講義のご紹介
もっと見る
法律コラムに関するご質問は、質問コーナーではなく、当該コラムのコメント欄に投稿して頂きますようお願いいたします。

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ