加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

『司法試験は短答ゲー』か?

司法試験では短答試験と論文試験の総合点で合否が決まることと、短答試験の合格者の半数以上が最終合格することなどから、短答試験で150点(満点175点)くらい取って論文で逃げ切るという戦略を提唱する人が一定数いるようです。

私は、「司法試験は短答ゲー」みたいな言説は、人ごとに適否が異なりますし、ぎりぎり合格を目指す場合以外には当てはまらないと思います。

確かに、論文順位が合否ラインの前後100~300番くらいなら、短答の点数が合否に大きく影響することがあるでしょう。

しかし、短答の点数は全体の9分の1にすぎませんし、論文と異なり合格者間で大幅に差がつくのものでもありません。

しかも、得意不得意にもよりますが、130点付近から10点上げるだけでも、かなりの労力を要します。

7割から8割、8割から9割に上げる勉強は、基本的にコスパが悪いです。

論文で4割から5割、5割から6割に上げる勉強をしたほうが良いです。

論文は科目間で共通する加点要素が多いですから、その意味でも論文対策のほうがコスパが高いです。

上3法の短答では論文知識や論文的思考を使って解く問題も少なくありません(特に刑法はミニ論文問題が多いです)から、論文対策を疎かにすると短答も伸びなくなることにも留意するべきです。

なお、私は総合39位(受験者8015人)、論文36位、短答612位であり、この短答順位でも総合順位はさほど下がっていません。上位を目指すという意味でも、ちゃんと論文に軸足を置いた勉強をしましょう。そうすれば、自然と短答の点数も伸びますし安定します。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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