加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

高橋宏志「重点講義 民事訴訟法」の読み方

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高橋宏志「重点講義  民事訴訟法」(有斐閣)は、司法試験・予備試験の論文対策をするうえで、非常に有益な基本書です。

私も、受験生時代から愛用していましたし、秒速・総まくり及び秒速・過去問攻略講座を作成する際にも参考にさせて頂いております。

もっとも、量の多さからしても、難解さからしても、通読するには不向きであると考えます。

また、今知っている基本概念・重要論点の理解を深めるために読むものであって、知識の量を増やすために読むものでもないと考えます。

いろんな学説を追い掛けて知識の量を増やそうとすると、勉強の方向性を間違えることになりますし、考える勉強をしなくなるため民事訴訟法の勉強がつまらなくなってしまうと思います。

「今知っている基本概念・重要論点の理解を深めるために読む」とは、例えば、既判力の必要性と許容性についての理解を深めたり、既判力が作用する場面についての理解を深めたりするために読むことを意味します。

これは、高橋宏志「重点講義  民事訴訟法」に限ったことではありませんが、これまで使ってきた一元化教材以外の教材(基本書・予備校本の双方を含みます)を読む際には、「何を学ぶのか」といった目的を明確にした上で、その目的のために新しい教材を「どう読むべきか」を考える必要があります。

 

なお、全分野を網羅しているわけではありませんが、民事訴訟法の基本概念や重要論点に関する理解を深めるために辞書的に参照する書籍としてお薦めの書籍としては、高橋宏志「重点講義   民事訴訟法」のほか、勅使川原和彦「読解  民事訴訟法」(有斐閣)も挙げることができます。

勅使川原和彦「読解  民事訴訟法」は、司法試験・予備試験論文をかなり強く意識した書籍であり、司法試験・予備試験の論文対策として使いやすいので、受験生の皆さんにお薦めしたい一冊です。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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