司法試験受験生のレベルは下がったのか?
今回は、このテーマに踏み込んだ記事を書いてみました。
受験界における試験対策が進んでいることなどを踏まえても、受験時における”受験生としての実力”は低くなっています。上位層も含めてです。
制度設計上、当然の帰結です。
能力云々の話をしているわけではありません。あくまでも、受験時における試験の出来に限った話をしています。
5年3回制の頃と異なり、受け控えもありませんし、ロースクール組の優秀層は在学中受験により成長途上で受験することになります。
今と昔とでは、受験者の平均的な学習時間が大きく異なるわけです。
例えば、既修者が在学中受験をする場合、一番忙しい既修1年目を終えてから数か月後、2年前期の授業及び定期試験対策と並行して受験に臨むわけですから、司法試験対策をする十分な期間と機会を与えられないまま受験することになります。我々の時代のように、既修2年目を司法試験対策に使ったり、試験前の約3カ月(後記の定期試験が終わる2月から5月中旬)を司法試験対策だけに集中投下することはできません。
こうした制度設計上の理由から、当然、受験時における”受験生としての実力”は低くなります。
合格者の多くが成長途上で合格するため、上位層も含めて試験の出来は低くなります。
私の著書『1日3時間×365日で弁護士になる!』の56頁以降でも言及していることですが、私は、今の現状について、「法曹の多様性の向上」や「実務家として優秀な人間の育成」という観点から、肯定的に捉えています。
「受験による法曹の質の担保」という観点も重要ですが、特に旧司法試験時代は、この一つの観点に偏り過ぎていたと思います。
受験競争が厳しければその分だけ、専業受験生に有利となり、他の専門職を含む社会人受験生が受かりにくくなるため、法曹の多様性を向上させることができません。
また、どんなに実力のある合格者でも、実務家としてのトレーニングは必須であり、これは決して法律の中身・運用に関する知識の習得に限りません。実務家として法律を使いこなすためには、世の中の様々な仕組みも理解する必要があります。早く合格することで、若いうちから実務家としてのトレーニングをしっかりと積めるようになります。
今の現状について、様々な意見があることは重々承知していますが、このような見方もあるのだということを、少しでも知っていただけたらと思います。
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