加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

司法試験に合格するためには六法全書を全部記憶する必要があるのか?

0

昔のドラマなどの影響なのか、法律系資格の受験生以外の方の中には、司法試験に合格するためには六法全書を隅から隅まで全部記憶する必要があると思っている方もいるようです。

結論から申し上げると、六法全書の条文を全て記憶する必要はありませんし、逆に、仮に六法全書の条文を全て記憶してもそれだけでは合格できません。

確かに、短答試験では、六法全書を参照することができませんから、基本7科目については、出題実績のある条文と出題蓋然性のある条文はある程度記憶しておく必要があります。

しかし、出題可能性のない細かい条文まで全て記憶する必要はありません。記憶するべき範囲は、基本7科目の条文全体の4分の1もないと思います。しかも、短答試験という性質上、選択肢を見れば分かる程度で記憶しておけば足りるため、論証のように脳内で文章化して再現できるレベルで記憶する必要もありません。

さらに、これは短答試験と論文試験に共通することですが、試験では条文の解釈まで問われるので、条文+αの知識として条文解釈(定義、判例、学説など)に関する知識も必要です。この意味において、条文を全て記憶しても、短答試験にも論文試験にも合格することはできません。

なお、論文試験では、六法全書を参照できるので条文を全て記憶する必要はありませんが、問題文を法的に分析するためにはある程度条文を記憶しておく必要があります。問題文を読んで問われている条文に気が付けるくらいには、記憶しておく必要があるわけです。

講義のご紹介
もっと見る

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ