加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

論文試験の成績との向き合い方

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昨日から、令和5年司法試験の成績通知が届いているようです。

来年の司法試験を受験する方は、合格点まであと数点であっても、中途半端に良かった科目(400~500番くらいまで)があっても、安心しないようにしましょう。

現行司法試験の論文試験では、一桁・二桁台の上位答案でも正解筋を外していることがざらにあります。

問題によっては、50点くらいの答案であれば、どこでどう得点しているのかを判断しにくいこともあります。

それだけに、採点上評価される解答筋(注:出題趣旨・採点実感で示される正解筋よりも広いです)が不明瞭です。

また、論文試験では、短答試験と違い、問題との相性により点数が左右されやすいです。

このように、現行司法試験の論文試験は不安定な要素が多いです。

総合順位1000番~2000番くらいの層では、問題との相性によって合否が逆転する可能性は十分あります。

科目単位であれば、500番~2000番くらいの層では、問題との相性によって順位が大幅に変動する可能性は決して低くないです。

そのため、ぎりぎり不合格の総合順位や中途半端に良かった科目(400~500番くらいまで)は、たまたまの結果に過ぎないという可能性もあるわけです。

こうしたことを書くと、合格者の方々の反感を買うかもしれませんが、事実です。

私は、司法試験合格という結果の価値を否定するつもりは全くありません。

最低限の能力があり、最低限やるべきことをやらなければ司法試験には合格できないですし、能力面でも努力面でも合格に必要とされる最低ラインは他資格に比べて相当高いです。

合格という結果は、合格者の皆様の能力と努力があってこそのものです。

しかし、予備校講師である私も含め、来年以降も司法試験と向き合わなければならない立場にいる人は、試験結果を過大評価するべきではありません。

私自身、労働法で1位を取ることが出来たのは、問題との相性の良さにもあると強く自覚しています。問題との相性によっては、順位が2桁前半あたりまで下がった可能性もあると思っています。

100~200番以内(受験者数8015人)の答案を揃えることができた基本7科目についても同様です。

だからこそ、合格後も予備校講師として知識と方法論の研究を続けています。

私の受験生時代もそうで、1回目の受験(受験者数8765人、合格者数2063人)では、論文2500番、民事系1000番だったため、極端に悪い公法系・刑事系でちょっとずつ点数を上げることができれば翌年合格できると安心していたところ、2回目の受験では論文3000番・民事系3200番でした。

原因は、舐めてかかって民事系の対策を怠ったからです。

上記のことに関連して、仮にぎりぎり不合格という試験結果が実力を適正に反映したものであるとしても、試験結果は7月の試験当時の実力を反映しているにすぎません。

仮に試験直後から試験対策としての勉強を怠っていた・ペースを緩めたいたのであれば、その分だけ試験当時の実力が衰退しています。

実力を合格ラインまで引き上げるための勉強に加え、衰退した記憶・瞬発力・感覚などを回復するための勉強も必要になります。

こうした意味でも、ぎりぎり不合格の総合順位や中途半端に良かった科目を過信することなく、謙虚な気持ちで司法試験と向き合う必要があります。

だいぶ厳しい内容の記事になりましたが、私自身の受験生としての経験と、予備校講師として多くの合格者・不合格者を見てきた経験も踏まえて記事を書かせて頂きました。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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