加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

総まくり講座2021を受講すれば重要論点を抽出できるようになるか

初めまして、「予備試験・労働法完全パック」の購入を検討している者です。
加藤ゼミナールで公開されている「総まくり講座2021におけるランク付け及びマーク・アンダーライン指示に関する説明」レジュメのAランク論点についての説明に、「論点が顕在化する典型事例を正確に把握することにより論文試験で出題された場合に確実に事案から抽出できるようにしておく必要がある」と記載がありますが、総まくり講座の受講で抽出できるようになりますか?
というのも、労働法には「重要問題100選講座」がありますが、基本7科目にはありません。
また、私は現在、労働法以外の入門書や基本書を何度も通読して、全体像や基本的な知識は頭に入っていますが、伊藤塾の論文マスターやアガルートの重要問題習得講座のようなものを受講した事はありません。
このような講座を受講していることが前提なのでしょうか?

「予備試験・労働法完全パック」の購入を検討して頂きありがとうございます。

以下が、ご質問に対する回答でございます。

〇総まくり講座2021を受講すれば重要論点を抽出できるようになるか

総まくり講座2021では、インプット講座ではあるものの、アウトプットに直結するインプットを重視しています。なので、重要論点について、事例から抽出できるようになるための工夫の一環として、テキストの記載又は口頭で典型事例等を示すなどしています。それ以外の論点についても、必要に応じて、典型事例を示すなどします。

例えば、刑法における結果的加重犯の共同正犯の論点については、顕在化事例が何パターンもあるため、予めテキストに典型的な顕在化事例を3パターン反映するとともに、事例ごとの結論も反映しています。また、刑法における共同正犯者間における抽出的事実の錯誤についても、出題パターンごとに分けた上で、簡単な事例(さらには、答案の流れ)をテキストに反映しております。

サンプル:参考資料として、総まくり講座2021刑法のテキストの一部」を公開いたします(結果的加重犯の共同正犯、共同正犯者間における抽象的事実の錯誤に関する一部です)。

民法や民事訴訟法では、顕在化事例をイメージしやすいように、法律関係図をたくさん使います。

したがって、総まくり講座2021を受講して頂けば、重要論点を事例から抽出できるようになります(さらには、論点によっては、答案例・構成例まで示しているので、書けるレベルにまで到達します)。

〇総まくり講座2021を受講するのに適した学習段階

総まくり講座2021は、基本7科目について、予備校入門講座又は薄めの基本書1冊を使って、「科目ごとにこういった分野があり、この分野にはこういった条文と論点があり、この論点について判例・通説はだいたいこういった立場である」といったことを一通り学習している方を対象者として想定しております。「 」内のことを一通り学習する手段は、予備校入門講座と基本書1冊の通読のいずれでも構いません。

例えば、「民法94条2項の類推適用が問題となる場面及び類推適用の3要件」、「会社法における利益相反取引規制の条文番号とその類型」、「民事訴訟法における既判力という概念の意味と、それが後訴に作用する3場面」について瞬時に脳内でイメージできる状態にあるのであれば、総まくり講座2021を受講する段階に到達しております。

質問者様の「労働法以外の入門書や基本書を何度も通読して、全体像や基本的な知識は頭に入っています」という状態であれば、総まくり講座2021を受講できるだけの学習段階にあります。

総まくり講座2021は、あくまでもインプット講座ですから、伊藤塾論文マスターやアガルートアカデミーの重要問題習得講座の受講を終えていることまでは前提にしていません。

〇基本7科目における短文事例問題集

「伊藤塾の論文マスターやアガルートの重要問題習得講座のようなものを受講した事はありません。」ということを踏まえると、予備試験過去問に入る前に、短文事例問題集を使って、事例と条文・論点の繋がり(こういった事例でこの条文・論点が問題になる)、全科目に共通する答案の流れ、科目分野ごとの答案の流れを身に付けるともに、事例演習を通じて条文や論点といった知識を使うことに慣れる必要があります。

そのための教材として、「伊藤塾の試験対策問題集」が最適であると考えます。問題の量としても、答案の質としても、大変良い出来です。

〇学習の進め方

最後に、学習の進め方についてですが、インプットは、アウトプット(=答案作成)ができるようなることを目的としてやるものですから、インプットとアウトプットを連続的に行うことで初めて、インプット講座の学習効果を上げることができます。

そこで、総まくり講座2021と並行する形で、試験対策問題集で該当箇所について事例や答案の流れを確認するという勉強をして頂くことをお薦めいたします。

それが終わったから、本試験レベルの問題に対応できるようになるために、予備試験過去問講座を使った予備試験過去問の演習・分析に入りましょう。

参考にして頂けますと幸いでございます。

2021年05月24日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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