加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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強盗殺人罪の教唆犯に65条1項ではなく同条2項が適用される理由

いつもお世話になっております。
刑法の共犯と身分の論点に関して質問がございます。
強盗殺人罪の教唆犯に65条2項が適用されるのはなぜでしょうか。「強盗」を真正身分犯として65条1項が適用されるように思えてしまうのですが、どのように考えればよいのでしょうか。
令和2年予備試験口述式で出題されたのですが、基本書等で調べてもどうしても分からなかったためご質問させて頂きます。お忙しいところ恐縮ですがどうぞ宜しくお願い致します。

真正身分犯は、身分があることによって初めて犯罪行為となるものであり、不真正身分犯とは、身分がなくても犯罪行為となるが身分の存在により刑が加重・減軽されるものです(山口厚「刑法総論」第3版343頁)。

そして、「強盗」身分を有しない者による殺人行為にも殺人罪(199条)が成立することから、強盗殺人罪については、「強盗」身分がなくても犯罪が成立するが、「強盗」身分の存在により刑が加重されるとして、不真正不作為犯として理解することになるのだと思います。

2021年02月14日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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