加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

0

令和2年予備試験商法設問1 423条3項の推定規定を使わずに任務懈怠を認めることの可否

令和2年の予備試験の会社法について質問です。
利益相反取引の直接取引において、推定規定(423条3項)を使わずに、善管注意義務違反から任務懈怠を認定することは不可能でしょうか。

今回の事案では、推定規定(423条3項)を使わずに、善管注意義務違反から任務懈怠を認定することは可能です。

利益相反取引の場面において、推定規定を使わない場合、取締役は「任務」たる善管注意義務の内容として公正な取引条件にする義務を負いますから、合理的理由なく市場価格の2倍近くの価格で本件ワインを買い取るという不公正な条件での取引がなされている本問では、善管注意義務違反が認められます。

もっとも、推定規定を使った方が原告に有利ですし、推定規定に対する配点もありますから、推定規定を使うべきです。

 

2020年12月18日
講義のご紹介
もっと見る

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ