加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

下4法の短答対策の方法

加藤先生の憲法・民法・刑法の短答対策に関する記事を読ませて頂きました。加藤先生は、下4法の短答については、どのように勉強していましたか。

私は、憲法・民法・刑法の短答については、論文の延長として捉えていましたが、下4法(行政法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)については、論文の延長としては捉えていませんでした。下4法では、大部分が短答固有の知識からの出題である上、知識不足を読解・思考により補うことができる問題もほとんどないからです。

下4法のうち、商法、民事訴訟法、及び刑事訴訟法については、ほとんど条文知識から出題されます。条文の解釈レベルのこと(主として、判例)まで出題されることもありますが、そこまで多くないです。なので、六法全書を使ったインプットだけで対応することができると思います。私は、司法試験過去問を1周する過程で、過去問で出題された条文にブルー・ピンク・オレンジのマーカーを引き、出題年度をメモしました。これにより、司法試験過去問で出題された条文と出題頻度を一目で判断することができるため、インプットの範囲を合理的に絞り込むことができます。また、全年度分のマーク・メモ書きを終えると、マーク・メモ書きから出題傾向を把握し、次回の出題範囲を合理的に予測することで、未出題の条文のうち次回出題される可能性の高い条文にあたりをつけやすくなります(あたりを付けてマークしている条文が、黄色のマーカーを引いている条文です)。予備校の答練・模試で出題された条文のうち、司法試験過去問で出題されていないものについても、必要に応じてアンダーラインを引くなどします。判例については、0.25mmの極細のペンでメモしました。これらにより、メリハリ付けがされ、かつ、必要な情報が補充された六法全書が出来上がります。後は、六法全書を何度も何度も繰り返し読むだけです。過去問と異なり「解く」過程が介在しないため、慣れると、1科目につき2~3時間で1周できるようになります。

行政法についても、上記3科目と同様です。但し、行政法では、判例知識が出題されることも多く、解答に必要とされる判例知識は六法全書にメモできるほど少ないものではないため、論文用の教材(論文用のまとめノートや稲葉馨ほか「ケースブック行政法」)を使って判例を確認するということもしました。

こちらが、下4法の短答対策として使っていた平成24年度の六法全書の画像です。

2020年10月22日
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コメント

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    下4法の短答対策の方法の記事で、載せていた六法全書のマーキングは具体的にどういった色分けでされているのですか?

    • kato_admin

      ①「原則的なこと」・「できる、認められる」とする部分は青マーカー、②「例外的なこと」・「できない、認められない」とする部分はオレンジマーカー、③趣旨・性質っぽいことはピンクマーカー、④③主語や状況(場面)はグリーンマーカーという分類にしていました。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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