加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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途中答案対策として制限時間を120分よりも短くする際に注意すること

現在、途中答案対策として、初見の予備校答練について、時間をほんの少しだけ早めて起案しています。制限時間を2時間から1時間57分、1時間55分というように徐々に縮めており、最終的には1時間50分から1時間45分くらいまで縮める予定です。この方法について、弊害等、注意するべきことはありますでしょうか。加藤喬先生の考えをお聞かせ願えればと思います。

制限時間を120分よりも短くすることは、途中答案対策として有効です。もっとも、制限時間を短くした分だけ、問題分析(問題文読了→答案構成→答案作成のうち、前二者の過程)が雑にならないように、気を付ける必要があります。問題文読了⇒答案構成⇒答案作成という過程のうち、「問題文読了⇒答案構成」の時間を短くするのであれば、その質を保ちながら各過程を効率化する工夫をする必要があります。工夫の仕方は様々であり、個々人や科目によって向き不向きもありますから、色々と試してみましょう。

また、制限時間を短縮する際に最もやって頂きたいのは、問題文読了⇒答案構成⇒答案作成という過程のうち、「答案作成」の時間を短くすることで、「簡にして要を得た文章により、少ない分量で多くの検討事項に言及することができる」という意味での文章力を鍛えることです。例えば、1枚12分の人が、答案作成時間を60分から50分に短縮した場合、答案の分量が5枚から4枚に減ることになります。今まで5枚使って書いていたことを、4枚に凝縮してまとめざるを得ない状況に追い込まれます。そのため、普段ではやらないような、思い切ったメリハリ付け(検討事項を丸々書かないというのではなく、検討事項一つひとつの論述を簡潔にまとめること)が徐々にできるようになります。

問題文読了⇒答案構成⇒答案作成という過程のうち「問題文読了⇒答案構成」については、科目・分野ごとの思考・読解のコツを掴む、各過程で要する読解・思考の前提となる法律知識を強化すること等により、ある程度短くすることができますが、大学受験を終えるくらいの年齢に到達してからは読解・思考そのものの速さが上がることは稀であることを踏まえると、比較的早い段階で時間短縮の限界を迎えることになると思います。なので、「答案作成」の時間を短くすることで「簡にして要を得た文章により、少ない分量で多くの検討事項に言及することができる」という意味での文章力を鍛える訓練も、しっかりとやって頂きたいと思います。

2020年10月03日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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