加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

0

過去問や一元化教材をどこまで繰り返すべきか

予備試験・司法試験に合格するためには、過去問や一元化教材をどこまで記憶すればいいのでしょうか。例えば、過去問であれば、「過去問を見たら数秒で反射的に答案が浮かび上がる」レベルにまで仕上げる必要があるのでしょうか。

まず、一元化教材についてですが、どこに何が書いてあるのかを数秒~10数秒で反射的に(画像として)イメージできるようになっているのが理想的です。例えば、刑法総論の正当防衛の1頁目にはどの論点が記載されているのかを数秒でイメージすることができ、その後、数秒又は10数秒で、当該論点の理由付けのキーワード・規範をイメージすることができる、という状態です。

次に、過去問についてですが、少なくとも重要度の高いものについては、年度と事案の概要(例えば、令和2年司法試験憲法なら、職業継続の自由に対する規制、一時的な移動の自由の規制が問題になっていること)を数秒で反射的にイメージすることができ、その後、1分以内に、答案の大まかな流れや主要論点までイメージすることができる、という状態が理想的です。付随的な検討事項、当てはめについては、そこまで記憶を徹底する必要はないと思います。「当てはめ」について補足しますと、行政法の原告適格や刑事訴訟法の「強制の処分」該当性・任意捜査の限界といった規範の適用過程(当てはめ)が重視されている重要論点については、「個々の事案における当てはめ」を記憶するのではなく、「個々の事案における当てはめの集積により導かれる規範の適用の仕方」を理解・記憶することが大事なのであって、「規範の適用の仕方」をちゃんと理解・記憶していれば、個々の事案における当てはめを記憶していなくても、過去問でも初見の問題でも合格水準(さらには、上位答案の水準)の当てはめをすることができます。

2020年09月30日
講義のご紹介
もっと見る

コメントする

コメントを残す

コメントをするには会員登録(無料)が必要です
※スパムコメントを防ぐため、コメントの掲載には管理者の承認が行われます。
※記事が削除された場合も、投稿したコメントは削除されます。ご了承ください。

加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

kato portrait
加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
質問コーナーのカテゴリ
ブログ記事のカテゴリ