加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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既判力における矛盾関係に関する2つの見解

基本的な質問で恐縮です。民事訴訟法基礎応用完成テキスト278頁に矛盾関係についての説明があります。
訴訟物どうしを比較して判断する見解と、前訴確定判決の主文中の判断内容と訴訟物を比較して判断する見解の違いが理解できません。ご教示お願いいたします。

訴訟物どうしを比較して矛盾関係を判断する見解では、例えば、AのBに対する甲土地所有権確認訴訟(請求棄却)→BのAに対する甲土地所有権確認訴訟という場合であっても、一物一権主義を媒介として、甲土地についてのAの所有権とBの所有権は両立しないとの理由から、矛盾関係が認められます。

これに対し、前訴確定判決の判断内容と後訴の訴訟物とを比較する見解からは、上記の事案では矛盾関係は認められません。前訴確定判決ではAの甲土地所有権の存在が否定されているため、後訴においてBが主張するBの甲土地所有権は、前訴確定判決の判断内容と矛盾しないからです。

このように、どちらの見解に立つかにより、矛盾関係を理由する既判力の作用が認められる範囲が異なるわけです。

詳細は「読解 民事訴訟法」(著:勅使川原和彦)145~148頁で説明されています。

2024年01月07日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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