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改正民法施行後における会社法428条1項の帰責事由の判断方法

会社法423条条1項任務懈怠の要件について質問です。
帰責事由(民415条1項但)の検討は、故意又は過失の有無で行うのか、「取引上の社会通念に照らして」検討するのかどちらになるのでしょうか。

平成29年改正民法下では、債務不履行に基づく損害賠償責任(民法415条)において、過失責任の原則が放棄されているため、「債務者の責めに帰することができない事由」(同法415条1項但書)については債務者の故意・過失とは異なる観点から判断されます。

もっとも、取締役等の任務懈怠責任(会社法423条1項)における帰責事由(同法428条1項)については、平成29年改正民法施行後においても、故意・過失によって判断されると理解されています(髙橋ほか221 ~222 頁、田中278 ~281 頁)。

例えば、取締役の「任務」が結果債務的に把握される法令違反行為の場面では、法令違反についての故意・過失の有無により帰責事由が判断されます。

これに対し、取締役の「任務」が善管注意義務という手段債務として把握される場面では、善管注意義務違反の判断の中に故意又は過失の判断が包摂されるため、任務懈怠についての帰責事由が否定される余地はありません。

 

2023年12月26日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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