加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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短文事例問題と予備試験過去問だけで出題範囲を網羅できるか

お世話になります。
短文事例問題の扱い・解釈にいつも迷います。
自身の従来の解釈は予備試験過去問で網羅できないものを短文事例問題を使って理解すると考えていました。つまり、それだけで合格に足りうるというように理解していました。
しかしながら、予備試験論文試験ではそれだけでは足りない論点等が出ているように感じます。
この予備校側と受験生側の解釈の隔たりは何故起きるのかと考えたところ、やはり、『短文事例問題を完璧に処理できるようになれれば本番も通用する。』という言葉が私も含め不合格になる側は、この掲載の問題だけが完璧であればいいと考えてしまうことかと思いました。
予備校と合格者はこの短文事例問題を軸としてその都度周辺知識も固めているのかなと思いました。
そこで、お伺いしたいのが、上記のような前提がある中で、実際に短文事例問題でカバーしてる論点はAB論点の何割程度でしょうか?
また、やはり掲載の問題だけ(シンプルにその事例のみ)を解けるようになっても合格には届かず、総まくり論証集などによる包括的な盤石な知識の確立が必要でしょうか?
ご教示よろしくお願いします。

短文事例問題(加藤ゼミナールの基礎問題演習講座を基準にします)と予備試験過去問だけで出題範囲を網羅できるかは、科目によって異なります。

出題範囲に偏りがある憲法、行政法、刑法、民事訴訟法及び刑事訴訟法については、短文事例問題と予備試験過去問だけで出題範囲をほぼ網羅することができますから、仮にこれらの問題以外から出題された場合に備えて総まくり論証集で未出題のABランク論点も軽く確認すれば足ります(あくまでも”合格レベル”を目指すならの話であり、上位合格や確実な合格を目指すなら、やはり総まくり論証集を使った網羅的なインプットもちゃんとやるべきです)。

これに対し、出題範囲が広い民法及び商法(特に民法)については、演習により出題範囲を網羅するのは現実的ではありませんから、総まくり論証集を使った網羅的なインプットをしっかりとやっておく必要があります。ABランクまでは、条文知識も含めて必須です。

それから、演習経由でのインプットばかりだと、どうしても知識の穴が生じるとともに、体系的な理解が定着しない傾向にありますから、民法及び商法以外についても、総まくり論証集というインプット教材を使った網羅的なインプットをする機会を設けるのが望ましいです。

超上位合格者、短期合格者ほど、インプット教材を使った網羅的なインプットをしっかりとやっています。

参考にして頂けますと幸いです。

2022年11月04日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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