加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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法科大学院の授業と司法試験対策とのバランスの取り方

お世話になっております。
現在、京都大学法科大学院の2年次に在籍しています。私は、ソクラテスメソッドを中心とした、またケースブック等のクエスチョンに1問1答形式で回答していく勉強を前期にしてきました(ロースクールの指導方針がそうでした)。確かに、各論点についての深い知識や、「〇〇という問題に対しては、Aとも考えられるし、Bとも考えられる」等の勉強は、それはそれで楽しくはありました。しかし、いざ、期末試験に出題されるのはクエスチョンに対する回答ではなく、司法試験と同レベルの事例問題で、クエスチョンに回答するための予習復習に追われたことで、試験の成績は散々でした。
そこで、後期以降の勉強法として、各科目の予習として、①まず、取り扱う分野を総まくりテキストで復習する。②次に、クエスチョンに回答する。なお、答えが出ないものについては①総まくりで確認した知識を使って考える程度にとどめ、正確な答えを導出することは適度にあきらめる。ことを考えています。また、復習としては、該当分野の司法試験の問題及び過去問講座を利用し、授業で学んだことを答案にどう落とし込むかに重点を置く。また、問題演習を重ねる。ことを考えています。
ロースクールの予復習に大量の時間を費やさなければならないこと、同時に来年の司法試験の勉強もしなければならないこと、という2つのタスクをこなす方法として以上のものを考えていますが、いかがでしょうか?

司法試験では、刑事系で学説対立が問われる場合を除き、基本的には、判例・受験界通説といった自説を使って結論まで一本の筋を通すことで足り、自説と異なる見解に従って結論について想定する必要はありません。憲法では、三者間形式でも法律意見書形式でも、多角的な検討が求められますが、学説対立という形で多角的な検討が求められているわけではありません。

刑事系の学説対立の対策以外では、他説を勉強する際には、あくまでの自説の理解を深めるために必要な限度でやれば足ります。

したがって、法科大学院における授業及び試験の内容と、司法試験対策としての勉強を区別する必要があります。司法試験対策としては、基本的には自説だけを勉強すれば足りる一方で、出題範囲いので広範なインプットをする必要があります(だからこそ、一つ一つの論点について他説まで勉強している余裕はないとも言えます)。

各科目の予習の仕方としては、仰る通り、「①まず、取り扱う分野を総まくりテキストで復習する。②次に、クエスチョンに回答する。なお、答えが出ないものについては①総まくりで確認した知識を使って考える程度にとどめ、正確な答えを導出することは適度にあきらめる。」というやり方で良いと思います。少なくとも刑事系については、主要な他説は総まくりテキストで取り上げていますから、総まくりテキストに書かれてない見解は試験対策として不要であるとお考え下さい。

その上で、復習をする際には、授業で学んだことのうち、論文試験で使うであろうこと(論文試験で使う自説の深い理解など)を過去問や短文事例問題集を使って、答案にどう落とし込むのかを研究しましょう。その際、合格ラインと自分の実力を踏まえて、授業内容に過剰に踏み込まず、難し過ぎて答案で使えそうにないこととちゃんと距離を取りましょう。

参考にして頂けますと幸いでございます。

2022年09月25日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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