加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

闇バイト詐欺襲撃事件

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Twitterで興味深い事件を発見したので、事実関係をアレンジした事案と解答の概要について、ブログ紹介しようと思います。

(参考事案)
Aは、Bらの闇バイトに協力する意思がないにもかかわらず、闇バイトに応募し、報酬の前金4万円を手渡しで受け取った後、Bらとの連絡を絶った。 Bらは、A宅を探り当て、A宅の窓ガラスを割って内部に侵入し、Aに執拗な暴行を加えた上で、机上にあった現金4万円を奪った。

A及びBらには、いかなる犯罪が成立するか?

【Aの罪責】
1項詐欺罪の成否が問題となり、「不法原因給付物と詐欺罪」が論点になる。
多数説は詐欺罪の成立を認めており、判例にも詐欺罪の成立を認めたものがある(贈賄資金の詐取、ヤミ米の代金の詐取)。

【Bらの罪責】
住居侵入罪の共同正犯ほかに、1項強盗罪(Aが負傷していれば強盗致傷罪)の共同正犯も成立する。
詐取した現金であっても所有権はAにあると考えられるから、財物の他人性は問題なく認められる(仮に金銭の所有占有一致原則が妥当しないとしても、不法原因給付物については返還請求権が否定されることの反射的効果として所有権が給付者から受給者に移転すると解されているため)。 また、自力救済による違法性阻却の余地もない。

実際の事件はこちら
https://x.com/yuruhuwa_kdenpa/status/1859203202958426317

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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