加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

問題文の事実をそのまま答案に反映するべきか

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当てはめでは、問題文の事実を答案に摘示し、それに対する評価を書くことになります。このように、当てはめは、問題文の事実の「摘示」とそれに対する「評価」から構成されています。したがって、事実を摘示するだけでは足りませんし、事実の摘示を飛ばしていきなり評価から書くこともできません。特に、司法試験の刑事系では、設問で「具体的事実を摘示しつつ論じなさい。」というように、事実の摘示について明確な指示があることが多いです。

もっとも、問題文の事実を一言一句そのまま答案に反映しなければ事実を「摘示」したと評価されないというわけではありません。必要に応じて、(大幅に)意味が変わらない範囲で要約して答案に反映しても構いませんし、問題文の事実が多い司法試験ではむしろそうせざるを得ません。

私は、事実の「摘示」の方法については、司法試験と予備試験とで違いがあると考えています。予備試験の問題では、比較的短い事例である上に、問題文における事実に関する記載が評価まで内包しているに等しいこともあります。したがって、予備試験では、基本的に、問題文をそのまま答案に反映した方が良いです。これに対し、司法試験では、問題文の事実が多いので、(大幅に)意味が変わらない範囲で要約して答案に反映するべきであり、そのようなスキルを身に付ける必要もあります。

ただし、これは予備試験と予備試験に共通することですが、当てはめにおいて決定的に重要な事実や、刑法において「 」で書かれている行為者の主観面に関する事情については、そのまま答案に反映するべきです。

加藤ゼミナールで司法試験過去問講座、予備試験過去問講座、基礎問題演習講座などを受講している方には、私の参考答案も見ながら、要約するべき場面の見極め方と適切な要約の仕方を学んで頂きたいと思います。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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