加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

法律要件の頭出しは必要か?

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答案を書く際に、初めに「~の要件は、①…、②…、③…である」というように法律要件を頭出しした上で要件ごとの具体的検討(要件ごとの規範定立、当てはめ)に入るべきかについて、悩む受験生の方が多いと思います。
法律要件の頭出しは、答案作成上無駄である(配点がない)場合であっても、減点されるわけではありませんが、限られた時間の中で答案を書く受験生としては、なるべく配点がない記述は減らすべきです。平均5枚前後しか書けない方であれば尚更です。配点がない無駄な記述をするということは、その分だけ、配点のある記述を書けなくなることに繋がるからです。
私は、法律要件を頭出しするのは、基本的には、①設問や過去の出題趣旨・採点実感で指示がある場合と、②要件が解釈に委ねられているなどの理由から条文の文言から要件を一義的に導けない場合であると考えています。
③上記①②のいずれにも当たらないが要件を頭出ししたほうが書きやすい場合にも、要件の頭出しに配点はないでしょうが、書きやすさを重視して要件を頭出しするのはありです。
例えば、債務不履行に基づく損害賠償請求の要件は、平成25年司法試験の採点実感で「実際の答案では,債務不履行責任の要件を明示し…」とあるため、なるべく頭出しします(①)。
物権的請求の要件は、民法206条の解釈により導かされるため、なるべく頭出しします(②)。共同不法行為者の損害賠償責任の要件についても、民法719条の文言だけから導けるものではないため、頭出しするべきです。
平成25年司法試験設問1では、保証と代理の要件事実を頭出ししたほうが書きやすいです(③)。
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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