私が受験生だった頃は、弁護士業界は過去にないほどの就職氷河期でしたが、今は状況が逆転して売り手士業となり、多くの弁護士事務所が採用活動に力を入れています。
弁護士事務所の中には、初年度の年俸額や最高報酬額をアピールするところもありますが、弁護士事務所を選ぶ際には、表面上の給与・報酬額だけではなく、様々な要素をちゃんと分析しましょう。
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1⃣契約形式(雇用、業務委託)
税・保険の負担、労基法等の適用の有無が異なります。
最終的には実体で判断されますが、税務調査や訴訟等に至らない限り形式を基準として処理され続けるので、契約形式は極めて重要です。
雇用でも、勤務実態に反して管理監督者等にされていないかも要確認です。
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2⃣契約書の有無
勤務弁護士で契約書ナシは珍しくないが、業界外ではかなり異例です。
今は、フリーランス新法がありますから、業務委託契約であっても、契約書の作成・交付が必要です。
契約形式を問わず、契約書の有無から事務所の内定者に対する誠意の有無が窺われるともいえます。
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3⃣勤務時間
給与・報酬額が勤務時間の長さに見合っているかも要確認です。
例えば、業務委託契約である場合や管理監督者での雇用契約である場合には、極論、”定額使いたい放題”になります。
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4⃣個人受任の可否・上納額
契約上の可否だけでなく、実際にどれだけ可能なのかも大事です。実際に個人受任が可能であっても、可処分時間などの都合から現実的に個人受任ができないのであれば、個人受任不可と同じです。
個人受任の現実的可能性の有無・程度を確認する方法としては、その事務所における先輩弁護士の個人受任の実態から確認するのが一番確実です。
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5⃣転勤の有無
転勤命令なのか、合意に基づく任意転勤に限られるのか、転勤時の金銭面・キャリア面などに関する補償の有無・内容は、私生活やキャリア形成にも影響する重要事項です。
全国各地に支店展開している新興系事務所では、特に要確認です。
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6⃣社員の無限連帯責任
弁護士法人の支店(従たる事務所)に社員を常駐させることが義務付けられている(弁護士法第30条の17)ため、各支店には1名以上の社員弁護士が必要になります。したがって、この義務クリアするために、経験も経済力も乏しい若手弁護士が社員弁護士として支店長を務めるというケースも珍しくありません。
弁護士法人の無限責任社員は、弁護法人の債務について無限連帯責任を負います。この無限連帯責任は、社員となる前の債務についても及ぶ上に、退所後2年間続くため、想像以上に重いです(弁護士法30の1第7項、会社法612条)。
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7⃣経験
目先のお金か、経験かという視点も重要です。
お金はいつでも稼げますが、将来に繋がる経験を積める時期は限られています。目先にお金だけを追いかけるような生き方をすると、自己投資する(≒自分の弁護士や社会人としての価値を上げていく)ような働き方ができなくなります。
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8⃣その他
上記の他にも、事務所の業界内における評判、ハラスメントの有無、事務局と弁護士の関係、離職率、独立後の嫌がらせ等の過去など、挙げるときりがありません。
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