加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

司法試験過去問をやるべき時期(来年から法科大学院に進学される方々へ)

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来年から法科大学院(既修者コース)に進学される方は、今から、制限時間2~3時間で令和2年司法試験過去問を解いてみましょう。

とても勇気のいることですが、2~3年後に倒すべき敵(司法試験の問題)に体当たりして、敵の特徴と敵に及ばない原因と正面から向き合い、今後の対策を考えましょう。

予備校を利用している方であれば、①予備校の入門講座のインプット講座(伊藤塾なら基礎マスター)を一通り受講し、②予備校のアウトプット講座(伊藤塾なら論文マスター)も一通り受講したという段階から、司法試験過去問に着手するべきであると考えます。

短文事例問題(分量は旧司法試験くらい、難易度は旧司法試験よりも低い)で6~7割の検討事項(訴訟物、罪名、条文、論点等)を抽出し、それなりの正確性をもって答案構成をすることができるという状態であれば、司法試験過去問に着手するべきです。

肉付けの正確性や説得力は、司法試験過去問の分析・復習を通じて高めるものですから、6~7割の正確性で構成できる状態にあれば足ります。

上記状態であっても、司法試験過去問には歯が立たないと思いますが、それでも構いません。

知っている論点なのに事案から抽出することができない、問題の所在がよく分からない、上手く答案に書くことができないというのが、司法試験です。

こうした司法試験の難しさを実感し、司法試験レベルの問題に対応できるようになるためにこれから2年間どういった勉強をすればいいのかを考えるきっかけを得るということも、司法試験をやる意味の一つです。

司法試験過去問1周目は、司法試験過去問と自分との距離を知ることになり、精神的に辛いと思いますが、自分とゴールとの距離を知り、距離を埋めるための対策を考える上で避けることのできない貴重な機会です。

司法試験過去問を通じて司法試験全体で重視されていることと科目ごとに重視されていることを理解しているかどうかで、これから2年間の勉強の質がだいぶ変わります。

私自身、知識の量と正確性だけなら1回目の受験時に司法試験合格レベルに達していましたが、司法試験過去問を全くやっていなかったため、本試験では点数を伸ばすことができず、特に科目特性の強い公法系・刑事系では極端に低い点数でした。

1回目と2回目では、司法試験過去問を一切やっておらず、3回目の受験では、司法試験過去問を徹底的に分析・復習することで司法試験全体と科目ごとに重視されていることに気が付いたことにより、論文試験の成績が2500番~3000番から36番まで一気に伸びました。

1回目 論文350点 2600位/受験者8765人
公法66点 民事156点 刑事76点 労働 51点

2回目 論文346点 2900位/受験者8387人
公法74点 民事 120点 刑事103点 労働48点

3回目 論文523点 36位/受験者8015人
公法系133(100位) 民事系186点(200位) 刑事127点(160位) 労働76.6点(1位)

私の成績の伸び方は極端かもしれませんが、正しい方向性で司法試験過去問を分析・復習することができれば、本試験で評価される書き方とそのための勉強法が明確になるため、答案の書き方も頭の使い方も日ごろの勉強の仕方も変わります。

これからロースクールに進学する方々には、司法試験過去問から学ぶべきことが集約されている秒速・過去問攻略講座2021を受講することにより、正しい方向性で司法試験過去問の分析・復習をして頂きたいと思います。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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