加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

大手新興系事務所で経営やビジネスを学べるか?

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たまに、大手新興系事務所を希望する理由として「経営やビジネスを学びたい」ということを挙げる人がいますが、正直難しいと思います。

まず、ビジネスの規模が違います。

独立する際には、スモールビジネスからスタートすることになります。

大手新興系とは、集客、単価、事件処理など何から何まで異なります。

大手新興系が収益性の高い案件をあの単価で集めることができているのは、事務所の知名度と多額の広告費投入によるものです。独立当初のスモールビジネスと比べて、集客の仕組みが大きく異なります。

案件ごとの事件処理の方法を学ぶことはできますが、事件処理を支えるパラリーガルの数や質が違う以上、大手新興系のようにスムーズに処理することは難しいと思います。

次に、スモールビジネスからビッグビジネスに転換した経緯も異なります。

大手新興系は、過払いバブル期に弁護士広告が解禁されたために、いち早く広告集客に着手して収益性の高い過払い案件を大量に集めることにより大きな資金源を確保することで、一気に規模を拡大していったと考えられます。

しかし、今は過払いバブルも終わっていますし、ネットは法律コラム、リスティング広告、youtube広告など様々な弁護士広告で溢れかえっています。

収益性の高い案件で資金を集めてからビッグビジネスに転換するという方法は王道であり、今後も通用するものですが、そのための具体的な手段が今と昔では異なるわけです。

勤務弁護士から見た大手新興系の魅力や利点は、もっと別のところにあると思います。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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