加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

短答過去問だけで合格できるか?

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短答対策では、過去問からの出題に備えて過去問中心の勉強をしますが、過去問以外からも出題されるため、少なくとも合格ラインが高い予備試験短答では、短答過去問の知識だけで合格ラインに到達することは難しいです。

短答過去問集を周回するだけで合格できている人も、普段の勉強で短答過去問以外の身に付いているから合格できているわけであり、決して、短答過去問の知識だけ合格ラインに到達しているわけではありません。

過去問中心のインプットをしつつ、過去問から出題範囲をイメージして過去問以外の条文・判例にも目を通しておくべきです。

逆に、短答過去問の正答率を100%にする必要もありません。現実的に無理がありますし、むしろ非効率です。

正答率を70%から80%に上げる労力と、90%から100%に上げる労力は全く異なります。

過去問の正答率はどんなに高くても90%前後で足り、浮いた時間を解ける問題の反復(=解ける問題の定着)と周辺知識のインプット(=インプットの範囲の拡大)に使ったほうがいいです。

短答対策に限ったことではありませんが、たまに「自分はAだけで合格したから、Bは不要。」といった極論を目にします。

例えば、「論文対策では過去問だけやった。それ以外の演習問題は不要。」という人も、過去問の知識だけを合格しているとは限りません。元々の能力や過去の学習経験により短文事例問題演習レベルのことをカバーしていたという可能性が高いです。

「過去問フル起案はほとんどやらなかった。」という人も、元々問題処理や答案作成の能力が高かったとか、長い学習期間の直近1~2年分だけを掻い摘んで話しているだけという可能性もあります。

自分の経験を過度に一般化したアドバイスとは距離を置くべきです。特に、多数派とは異なる尖った極端なアドバイスは、インパクトが大きい分、信じ込みやすいので注意が必要です。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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