加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

司法書士試験合格後、予備試験経由で司法試験合格を目指す場合、入門講座を受講することなくいきなり秒速・総まくりから受講しても構わないか

私は現在、司法書士をしております。予備試験経由での司法試験合格を目指しているのですが、予備試験と司法書士試験とでは、刑事訴訟法と行政法以外は、科目が被っているので、ある程度知識はある状態です。 このような状況でも、入門講座を受講すべきでしょうか。それとも、いきなり、加藤先生の秒速・総まくり講座を受講する方が良いでしょうか。ご回答頂けますと幸いです。

秒速・総まくりの受講を検討して頂きありがとうございます。

本講座は、予備試験・司法試験対策として、憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法(以下、「基本7科目」とします)を一通り学習し、簡易事例の論文問題で答案を書いたことがあるくらいの学習段階の方々を対象としております。

司法書士をされているため、特に民法・商法・民事訴訟法の知識の量は相当あると思います。もっとも、予備試験・司法試験では、「論文対策として」学習をし直す必要があります。例えば、①基本7科目に共通することですが、判例・学説による解釈に委ねられている問題点について、文章で簡潔に説明できるようになる必要があります。また、②答案では、ある事例における結論(例えば、民法709条に基づく損害賠償請求が認められる)を導くまでの過程が重要であり、結論を導く過程について、出題者・採点者側が求めている流れ等に従って文章で説明する必要があり、この過程でも①の文章力が大事になってきます。

このように、いま頭の中にある法律知識の使い方を、予備試験・司法試験の論文試験で必要とされる形に変化させる必要があります。私が担当している秒速・総まくりは、中・上級者向けの講座であるため、論文対策の入り口に属することまでは対応しておりません。

そのため、予備校の入門講座を受講して頂くことをお薦めいたします。私は、『伊藤塾の呉明植 先生』の入門講座をお薦めいたします。時間も費用もかかりますが、急がば回れでありまして、予備試験・司法試験対策としての学習の初期段階では、良質な入門講座を使い、論文試験で必要とされる頭の使い方・文章の書き方も含めて、しっかりと基礎を固めて頂くことをお薦めいたします。学習の初期段階からしっかりと基礎固めをやっておくと、それ以降の学習の進み具合が格段に上がります。

伊藤塾の教材には、判例・学説の説明内容が古い(今の試験傾向に合っていないなど)箇所が少なからずあるといった弱点がありますが、今の段階では気にする必要はありません。これは表面的な弱点にすぎません。新しい情報が反映された教材であっても、全体的に分かりにくい講義を受講するくらいであれば、古い情報も含まれてはいるものの、全体的に分かりやすく、表面的な情報だけでなく、論文試験で必要とされる頭の使い方・文章の書き方も含めてしっかりと基礎固めをすることができる良質な入門講座の方が何倍も良いです。なお、他校の入門講座を批判する趣旨ではありません。たまに、伊藤塾の教材に対する過剰・不当な批判を目にするために、質問者様が受講後に不安を感じることがないよう、補足させて頂いた次第です。

入門講座で基本7科目の基礎固めを終えたら、古い情報のアップデートも兼ねて、現行の予備試験・司法試験対策に特化している秒速・総まくりを使って頂ければと思います。

2020年09月30日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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