加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

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実力が伸びたと感じるタイミング

大学受験の時は、数多くの模試や定期試験、小テストで点数が分かり、自分の学習がどの程度まで進んでいるのかを実感することができました。しかし、法科大学院在学中は、定期試験のみであり、点数が分かるだけで、どこがどのように評価されたのか一切知ることができません。先生は、どのようなタイミングで、自分の学習が進んだ、学力が上がったと感じましたか。

私は、自分の実力が伸びた(というか、勉強のコツを掴んだ)と実感したタイミングが2回あります。以下では、物語式にして紹介させて頂きます。

1.伊藤塾から法科大学院入試合格まで(大学3年春~翌々年の夏まで)

私は、大学3年次の春から、伊藤塾に入塾し、法科大学院入試(ひいては司法試験)に向けた勉強を開始しました。

伊藤塾入門講座で一番最初に記憶しようとしたのが、法の支配の意義・内容でした。大学にスポーツ推薦入学したこともあり、これまで文章を要約して記憶するという経験が皆無に等しかったため、記憶のコツを知りませんでした。また、忘れるのが怖かったです。なので、次回の講義までに、100回以上は暗唱しました。

最初の頃は、講義で記憶の指示があった箇所をがむしゃらに記憶しました。しかし、理解や全体像の把握を怠っていたため、しっくりしないまま、地に足が着いていない感覚を抱いたまま、勉強を続けていました。

学習開始から半年後(大学3年の夏休み頃)、伊藤塾の論文オリジナル問題集(今の試験対策問題集よりも薄めの演習書)も参照して、基礎マスターの知識の使い方を確認しながら、基礎マスターテキストの論点をノートにまとめてみたら、論点がすっと頭に入ってくるようになりました。これなら論文が書けそうだ、こうやって使うためにこの論点を勉強してるんだなという、手応えや理解を得ることができました。

また、まとめる過程で理解の過程を強制的に経ることになるので、記憶の促進にも繋がりました。文章を読み、要約するという経験が乏しかった私には、相性のいい勉強法だったと思っています。

それ以降、とりあえず講義に合わせてまとめノートを作成し、上3法の基礎マスター終了後、答練の日程に合わせて、まとめノートを暗唱しながら読むという過程を3~4回繰り返した。

1周目では、1科目回すのに丸1週間かかり、すぐに2周目に入っても、半分くらい忘れていました。しかし、2周目は3日くらいで終わり、3周目に入ったら2/3くらいは記憶が残っていました。まとめノートを使ったインプットを繰り返すにつれて、記憶として定着している情報の量が増えていきました。

なお、論証等の記憶方法は、①アウトプット経由、②インプット過程で書く、③インプット過程で何度か読む又は暗唱するの3つに大別されます。 私は、②を試したところ、短時間で反復できないため、③に切り替えました。 数分で1回書くよりも、数分で何度か読んだり暗唱したほうが記憶が定着しました。また、一つの論証を同一機会に何十回も暗唱するのではなく、全体像を見渡す過程で何度を暗唱するということを繰り返したほうが、遥かに記憶が定着しやすかったです。こうした自分に合ったやり方も、勉強する過程で徐々に知っていきました。

2.2回目の司法試験不合格から3回目の受験まで

法科大学院入学から2回目の司法試験不合格まで、伸び悩んでいました。法科大学院在学中は司法試験対策をしていなかったため、司法試験と自分の距離すら掴めていませんでした。

2回目の不合格まで、司法試験論文過去問をやっていなかったため、司法試験論文との関係では実力が伸びていませんでした。2回目の不合格後、初めて司法試験論文過去問をやり、何問か解いているうちに、司法試験全体、科目、及び分野ごとに、①こういった角度から問われる(出題の角度)、こういった頭の使い方をする(考え方)、こういった書き方が求められている(書き方)といった、特徴に気が付き、②①を踏まえ、司法試験の論文対策としてやるべき勉強の方向性が明確になりました。

前記1の段階で、読解力、文章力、思考力、記憶のコツ等が身についていたため、2の段階で基礎学力が上がったとは思いませんが、司法試験の論文対策としての学習が一気に進んだ(極端な言い方をすれば、司法試験の論文対策としての学習がスタートした)感じがしました。

2020年09月30日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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