加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

質問コーナー

総まくり講座&過去問講座を使った令和6年司法試験に向けた勉強法

合格までに必要な勉強についてゴールをイメージしたく質問させていただきます。
(1)まず、来年度の司法試験に向けて論文対策として
①司法試験過去問講座で過去問の情報を総まくり論証集に一元化する
②司法試験過去問だけではカバーできない知識について過去の先生のブログでおすすめされていた演習書使いながら知識を総まくり論証集に一元化する
①と②を並行して学習を進める予定
(2)短答対策として
総まくり講座の教材に逐一戻りながら肢別本をやる
主に論文対策としての学習方針があっているのかご教示お願い致します。特に論文対策②をどれだけする必要があるのかについてお聞きしたいです。論文対策①と総まくり講座の読み込みだけで事足りるのでしょうか。短文事例問題については資格スクエア様を利用して学習しておりました。

まず、試験直前期には司法試験過去問テキストを満遍なく確認する余裕はないと思いますから、過去問講座の重要部分は総まくり論証集に反映しておきましょう(したがって、①は正しいです。)。

次に、総まくり講座では知識面で全範囲を網羅することができますが、司法試験過去問だけでは演習面で穴が生じます。したがって、基礎問題演習講座を受講していないのであれば、司法試験過去問の穴をカバーするために、市販演習書も使いながら、重要部分(典型事例、条文・論点の組み合わせ、当てはめのポイントなど)を総まくり論証集に一元化するのが望ましいです(したがって、②も正しいです。)。

最後に、短答対策ですが、肢別本だけでは問題ごとの「類型」と「難易」を把握できないので、これらを把握するために、少なくとも直近過去問を1~2年分最初から最後まで解きましょう。

短答試験では問題ごとに類型・難易がありますが、肢別本ではこうした類型・難易を把握し難いため、類型と難易を踏まえた解法・勉強法を掴むことも難しいです。

例えば、憲法では一見すると判例知識問題のように見え るが、実際には読解思考問題や論文知識問題だということも少なくありません。

民事系では、一見すると細かい短答知識を要する問題に見えるが、実際には論文知識又はそれに近い知識で2~3肢判断すれば消去法で正解を導ける問題もあります。

こうした問題の類型と難易を正しく認識することで、科目、分野、類型ごとに正解を導くために真に必要とされる解法と知識の幅を知ることができます。

肢別本中心で勉強をしている方で勉強量の割に模試や本試験で点数が伸びないという方は、直近過去問1~2年分を最初から最後まで解いてみて、問題ごとに必要とされる解法と知識の幅を確認してみるといいです。(2023年4月22日の私のtweet)

なお、司法試験の短答上三法ではそこまで細かい知識は出題されません(民法では出題されますが、消去法を使うことにより細かい知識がなくても解ける問題が少なくないです)し、直前期に肢別本をはじめとする短答過去問集を周回する時間的余裕はないと思いますから、総まくり講座の教材に戻りながら肢別本をやるのが望ましいです。なるべく、過去問で出題された部分が分かるようにしておきましょう(したがって、(2)も正しいです。)。

参考にして頂けますと幸いです。

2023年06月21日
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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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