労働条件の決定要因の典型は、労働契約です。
労働契約の内容を規律する根拠には、個別的労働契約、就業規則、労使慣行、強行法規などがあり、下記の化体説からは労働協約も含まれることになります。
労働協約の規範的効力の性質には、①協約上の基準が労働契約の内容に取り込まれるとする化体説と、②協約上の基準が労働契約の外部から直接に労働条件を規律するとする外部規律説があります。
①化体説からは、協約上の基準は、「労働協約→労働契約の内容化→労働条件の規律」というプロセスを経て、労働条件を規律することになります。
これに対し、②外部規律説からは、協約上の基準は、「労働協約→労働条件の規律」というプロセスにより、労働契約の内容化を経由することなく直接に、労働条件を規律することになります。
両説の違いは、主として「労働協約の余後効」として顕在化します。これは、労働協約が終了後した場合、これまで労働協約により規律されていた労働条件の帰趨はどうなるのか、という問題です。
①化体説からは、協約上の基準が労働契約の内容に取り込まれているため、労働契約の終了後も、労働契約の内容は協約上の基準どおりとなります(この労働契約が、労働条件を規律することになります)。もっとも、労働協約が終了している以上、協約上の基準により規律されていた労働契約部分(写真における「賞与」に関する部分)の規範的効力は失効しているため、当該部分を個別的労働契約や就業規則によって変更することは可能です。
②外部規律説からは、協約上の基準により規律されていた労働条件について、労働契約の定めがないことから、労働契約に空白部分が生じることになります。この空白部分を補充する必要があり、就業規則などの補充規範となり得る合理的基準があればそれが空白部分を補充することになりますが、こうした補充規範が存在しない場合には、従来妥当してきた協約上の労働条件が空白部分を暫定的に補充することになります。

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