加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

既判力の根拠 制度的効力VS手続保障・自己責任

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既判力の根拠に関する考え方には、次の3つの見解があります。

①判決された権利関係の安定を図るという制度的効力だけに求める一元論
②制度的効力に加えて手続保障が与えられたことの裏返しとしての自己責任(以下「手続保障・自己責任」という)にも求める二元論
③手続保障・自己責任だけに求める一元論があります。

令和6年司法試験の出題趣旨・採点実感と高橋宏志「重点講義 民事訴訟法」第2版補訂版590~591頁はいずれも②の二元論を支持していますから、試験対策としては②の二元論を採用するべきです。

ある制度・条文の根拠は、基本的に、必要性と許容性から成り立っています。既判力の根拠であれば、制度的効力が必要性、手続保障・自己責任が許容性に対応します。

もっとも、制度・条文の根拠論に遡って解釈論を展開する際に、常に必要性と許容性の双方に言及するわけではなく、許容性メインで論じることもあります(必要性は解釈の理由として弱いので、必要性メインで論じることは極めて稀だと思います。)。

既判力についても同様で、②の二元説に立つとしても、全ての論点について制度的効力と手続保障・自己責任の双方に言及するのではなく、双方に言及するべき論点もあれば、手続保障・自己責任だけに言及すれば足りる論点もあります。

令和6年司法試験の出題趣旨16頁

令和6年司法試験の採点実感「民事系科目」25頁

高橋宏志「重点講義 民事訴訟法」第2版補訂版590~591頁

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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