加藤喬の司法試験・予備試験対策ブログ

伝聞非伝聞の区別における要証事実の設定

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伝聞非伝聞の区別では、①立証趣旨に従って当該証拠の使い方を前提とした推認過程を設定し、②その推認過程における当該証拠の直接の立証事項を要証事実として捉えます。

①証拠の使い方とは、いかなる主要事実をどのように立証するのかという立証方針を意味し、これは当該証拠の取調べ請求をしている当事者が示した立証趣旨に従って決せられるのが原則です。

まず、当該証拠の最終的な立証命題である主要事実を確定します(=証拠と主要事実の対応関係)。

次に、当該証拠によって上記主要事実を立証するための推認過程を設定します(=主要事実を立証するための推認過程)。

②推認過程を設定したから、当該証拠の直接の立証事項(直接証拠型なら主要事実そのもの、間接証拠型なら証拠から最も近い間接事実)を要証事実と捉えます。

伝聞非伝聞の区別における要証事実の設定は、丸暗記では全く対応できないため、最初は習得するのに苦労すると思いますが、だからこそ受験生間で差が付きやすく、頻繁に出題されるわけです。毎回、自分なりに推認過程の図を書いたり、自分の思考過程を確認・改善するということを繰り返すことで、徐々に真の理解が身に付きます。

なお、要証事実については、「最終的な立証命題である主要事実」を意味するとの理解と「直接の立証事項」を意味するとの理解があるところ、上記は後者の理解を前提とした説明です。

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加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。

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加藤ゼミナール代表取締役
加藤 喬かとう たかし
加藤ゼミナール代表取締役
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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