論文試験では、記憶している法律知識や法的思考を文章にして採点官に伝える試験ですから、どんなに法的知識があっても、それを正しく分かりやすい文章で答案に書くことができなければ、論文試験で点数を伸ばすことができません。
このように、論文試験において、文章力は、法的知識や思考力と同じかそれ以上に重要です。
”文章力”というと、基礎学力的なことをイメージする方が多いと思いますが、司法試験・予備試験の論文試験では、ある程度パターン化された答案の大枠に従って答案を書くわけですし、科目、分野、論点ごとに用いる文章は、文章全体の構成や接続詞の使い方なども含めてある程度決まっていますから、ここで必要とされる”文章力”とは限られたものにすぎません。
また、美しい文章を書く必要まではなく、法律知識や法的思考を採点官に正しく分かりやすく伝えられる文章を書くことができれば足ります。
したがって、論文試験で必要とされる文章力を身に付けるということも意識しながら、日本語が正しく用いられているテキスト・答案集を使って勉強をしていれば、論文試験で必要とされる文章力は自然と身に付くはずです。
以下は、読みやすい文章の書くためのポイントの例です。
完璧を目指す必要はありませんが、接続詞・接続助詞の使い方をはじめとする文章作成のルールを事前に決めておくと、読みやすい答案になるとともに、答案作成中の悩みが減ることで答案が書き易くなる(さらには書くスピードが上がる)と思います。
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- 理由どうしを結ぶ順接は「それゆえ」「そのため」「そうすると」等
- 論証中の理由と解釈を結ぶ順接は論理必然でない限り「そこで」
- 事実評価(当てはめ)と規範該当性の結論を結ぶ順接は「したがって
- 小項目(ごと)の結論と大項目の結論を結ぶ順接は「よって
- 順接でやみくもに仮定である「とすると」「そうであれば」を用いることは避ける(平成24年司法試験民事系第1問・採点実感
- 一文で接続助詞の順接を2回使う場合は「ため」→「から」と書き、「から」→「から」というように同じ接続助詞を連続させな
- 確かに…以降の逆接は「もっとも」「ただし」ではなく「しかし」にする(「もっとも」「ただし」は逆接ではなく補足の接続詞
- 仮定・前提条件は左から大きい順に「場合」→「とき」
- [時」は時点を指すものとして使い、条件を指すものとしては使わない(条件を指す場合は「とき」)
- なるべく口語体ではなく文語体に従って書く
そして、こうした正しい法律文章の作法に従って作成されているのが、私がいちから作成している答案例をはじめとする加藤ゼミナールの教材です。
以下は、上記の法律文章の作法に従って書かれた基礎問題演習講座「民法」の答案例です。こちらも参考にして頂きたいと思います。
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加藤ゼミナールでは、受験生スタッフや合格者スタッフがテキストを作成するのではなく、全てのテキストを代表である加藤喬講師をはじめとする所属講師がいちから作成しています。
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