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1025 件の検索結果
取締役がAしかいない非取締役会設置会社である甲社では、Aが単独で業務を決定し、執行します(会社法348条1項、田中亘「会社法」第2版241頁)。したがって、AがBに対して「それならば300万円で、乙社が買い取ることにすればいいよ」と述べたことをもって、Aが甲社の代表取締役としてBによる利益相反取引について同意をしたとみることにより、Aが代表した甲社(100%株主)による同意があったとみる余地もあります。 しかし、Aを介した甲社(100%株主)による同意は、利益相反取引をすること自体を対象とするものであり、Bの責任免除まで対象としたものではないと思いますから、会社法424条でいう責任免除について […]
第73期司法修習生の皆さんは、明日から二回試験ですね。 二回試験に合格すると、長かった受験生時代がひと段落することになります。 二回試験については、私から皆さんにアドバイスできることは少ないのですが、以下では、全科目共通の留意点と科目ごとの留意点について取り上げさせていただきます。 全科目共通 普段通りの起案をする 毎年、修習生の方から、「集合修習で成績が悪かった科目が不安である」といった相談を受けるのですが、私は「普段通りの起案を書いてくるように」と回答しています。普段通りの実力を発揮して書いたのに不可になるということは、まず考えられません。むしろ、二回試験だからと気張って、時間配分も含め普 […]
論文試験では、科目によっては、知識・思考力と同じくらい、文章力が重要になってきます。 簡潔にまとめる力があれば、配点項目を拾いやすくなります。 表現力があれば、例えば刑事訴訟法における事実評価や推認過程の説明の説得力が増します。理解が正確であることと理解したことを答案に反映することとは別次元ですから、文章力が不十分だと、理解していることを答案に十分に反映することができないわけです。 丸暗記した論証を張り付けることができない現場思考要素の強い問題でも、その場でイメージした抽象論を答案に反映する上で、文章力は非常に重要です。 もっとも、美しい文章を書く必要まではありません。正解筋を把握している玄人 […]
秒速・総まくり2021を受講して頂き、誠にありがとうございます。 理解・納得できないことにより、対応が異なると思います。秒速・総まくり2021は、自分が目指すべき理想の合格答案を書くために必要な知識・方法論(書き方・考え方)を身につけることを目的とするものです。したがって、理解・納得できないことのうち、自分が目指すべき理想の合格答案を書くためにさほど重要ではないことは、飛ばして構いません。 他方で、理解・納得できないことのうち、自分が目指すべき理想の合格答案を書くために重要であることについては、出来るだけ、飛ばさないようにしましょう。もう一度講義を視聴してみて、それでも理解・納得することができ […]
2周目以降は、問題文や何をどう論じるのかについて頭に入っている状態になるのはやむを得ないことですし、むしろ、それが理想的です。2周目以降であるにもかかわらず、問題文や何をどう論じるのかについて頭に入っていないのであれば、1周目で何も学んでいない等しいからです。過去問をやる意味の1つとして、再度の出題可能性に備えることが挙げられますから、同種事案が出題された場合に高水準の答案を書くことができるように、問題文や何をどう論じるのかについて頭に入れておく必要があります。 その一方で、過去問をやる意味として、現場での判断力を磨くということも挙げられます。2周目以降は、問題文や何をどう論じるのかについてあ […]
予備校の入門講座を受講している段階で判例百選までやるべきかについて、ご質問を頂くことがあります。 私は、少なくとも予備校の入門講座を受講している段階では、判例百選を網羅的に読み込む必要はないと考えています。 入門講座を受講している段階で最優先すること 基礎講座を受講している段階では、主として、以下の4点を最優先するべきです ①浅く広く勉強することで、出来るだけで早く、各科目の全体像を把握する ②条文・制度を理解・記憶する ③論点について、判例・通説がどういった立場なのかをざっくりと理解・記憶する ④論点がどういった事案で問題になるのかを知る 刑法の因果関係を例に挙げるなら、下記4点までを次回の […]
私の見解は以下の通りです。 まず、①前訴:原告A・被告B、後訴:原告A・被告C(敗訴したBからの承継人)という事案では、BとCとを同一視した上で、前訴訴訟物と後訴訴訟物とを比較することにより、両者間に同一・先決・矛盾の関係があるかどうかを判断します。BとCとを同一視しないと、訴訟物間の同一・先決・矛盾の関係を肯定することができない事案も多々あるからです。 次に、②上記の判断手法を用いても訴訟物間の同一・先決・矛盾の関係を肯定することができない事案では、「訴訟物間の同一・先決・矛盾の関係の有無により既判力の作用を判断する」という判断枠組みを放棄することになります。基本書等では、既判力の主観的範囲 […]
非嫡出子法定相続分規定を例に挙げて説明させて頂きます。事柄の性質(総まくりで挙げている①~④)を考慮した上で違憲審査基準を定立します。 例えば、実質的関連性の基準を定立したとしましょう。 ㋐目的審査では、「法律婚の尊重」という区別の目的の重要性を検討します。 手段審査のうち、㋑手段適合性では、嫡出子・非嫡出子間に法定相続分の格差を設けること自体が「法律婚の尊重」という目的を達成する手段として役に立つのかを検討します。 手段審査のうち、㋒手段必要性では、主として、(ⅰ)嫡出子・非嫡出子間に法定相続分の格差を設けることと同程度以上に「法律婚の尊重」という目的を達成することができるより制限的でない他 […]
司法試験論文のうち、基本7科目では、書くべきことを2時間で答案に書き切ることができないという形で、時間の制限が顕在化することが多いです。 選択科目では、書くべきことを4枚以内で書き切ることができないという形で、紙面の制限が現在化することもあります。 また、現行司法試験・予備試験の論文試験では、採点方法として原則として加点方式が採用されていると思われるため、配点項目に言及した分だけ点数が伸びます。 そうすると、論文試験では、時間と紙面が限られている中で、どれだけ配点項目に言及することができるかが肝になってきます。 そして、時間と紙面が限られている中で出来るだけの多くの配点項目に言及するためには、 […]
今回は、答案で読みやすい文章を書くコツについてお話しします。 司法試験・予備試験論文では、そこそこの内容的正確性をもって配点項目を出来るだけ網羅することが最も重要です。 ここでいう配点項目は、基本的には大・中・小の分類され、刑法であれば、大:罪名、中:体系・要件・論点、小:事実の摘示・評価という分類になります。 時間と紙面が限られている中で出来るだけ多くに配点項目に(正確に)言及するという意味で、点取りゲームのような側面が強いです。 現行の論文試験の特徴であると思われます。 もっとも、私がゼミ生等の再現答案と成績表を比較してきた経験からすると、読みやすい文章を書くということも、何らかの形で採点 […]
秒速・総まくり2021及び秒速・過去問攻略講座2021セレクト45を受講して頂き、誠にありがとうございます。 11月に公開した「令和3年司法試験合格に向けた理想的な学習スケジュール(11月スタートver法科大学院在学生向け)」では、法科大学院3年生(最終学年)の方を想定しております。 法科大学院3年生であれば、遅くとも3年生の前期の終了時点で、学内授業を通じて選択科目について最後まで勉強し終わっている上、定期試験に向けて全体のインプットも何度かやっていると思います。予備校のインプット講座を受講する場合でも、おそらく現時点で1周目を終えているはずですから、司法試験過去問を除くと、” […]
秒速・過去問攻略講座の受講を検討して頂き、誠にありがとうございます。 秒速・過去問攻略講座は令和4年版で全面的にリニューアルする予定ですが、「全面的にリニューアル」とは主として「解説」部分をシンブルにすることを意味しており、内容面でのリニューアルはそこまで多くありません。なので、今期の秒速・過去問攻略講座2021でも問題なく令和4年司法試験対策のために使って頂けます。 司法試験過去問は、出来るだけ早くやった方が良いです。参考答案に近い水準を再現できるようになるためには、答案作成・復習という過程を何度も繰り返す必要があるからです。来年の春休みは、司法試験過去問の答案作成・復習を繰り返すことで実力 […]
論文試験では、知らない論点が出題されることもあります。現場思考論点が出題されることもありますし、自分が知らない既存論点が出題されることもあります。 知らない論点が出題された場合でも合格水準の答案を書くことができるように、”知識”以外の”技術”を身につけておくことが重要です。 短期合格を目指すためにも、上位合格を目指すためにも、知らない論点が出題された場合における対処法をしっかりと確立しておくことは重要です。 以下が今回紹介する対処法です。 . 理由⇒規範という構造の”論証”を書く(法的三段論法の形式を守る) 問題文のヒント […]
本記事では、選択科目の選び方、選択科目対策を開始する時期、労働法の科目特性、及び労働法の勉強のコツなどについて紹介させて頂きます。 令和4年からは、予備試験の論文科目にも現行司法試験と同じ科目の選択科目が導入されることになるため、司法試験合格を目指す方だけでなく、令和4年以降の予備試験合格を目指す方にも参考にして頂きたいと思います(予備試験論文式における選択科目の導入については、こちらの記事をご覧ください)。 . 目次 1.司法試験・予備試験における選択科目対策についての動画 2.選択科目の選び方 3.選択科目対策を開始する時期 4.労働法の特徴 5.労働法の勉強のコツ 6.労働法・経済法選択 […]
学説対立問題を適切に処理するために最低限おさえておくべき知識として問題になるのが、以下の6つです。 . ①自説の規範・理由 ②反対説の規範 ③学説対立が顕在化する典型事例 ④反対説の理由 ⑤反対説に対する自説からの批判 ⑥学説の組み合わせ . ※ 自説・反対説双方の立場の意味を正しく理解していれば③も分かるため、厳密には、③は①②に包摂されます。 以下では、①~⑥のうち、どこまでが答案を完成させるために最低限必要とされるのかについて、令和1年司法試験刑法設問2と令和1年司法試験刑事訴訟法設問1を使って説明いたします。 . 令和1年司法試験・刑法設問2 (答案) 設問2 1.① (1) まず、 […]
令和1年司法試験刑法論文の現実的な上位答案を公開いたします。 想定順位200~400位(62~65点)、約2200文字(1文字あたり26~28文字)です。 出題趣旨・採点実感では難しいこと・細かいことが色々と書かれていますが、振り回されてはいけません。 まずは、今回公開する答案を目指しましょう。 現実的な上位答案から、「記憶する抽象論の長さ・正確性」(インプットの水準)や「簡にして要を得た文章の書き方」を掴んで頂きたいと思います。 答案はこちら 以下では、今回の答案を作成した際の思考過程について説明いたします。 . 令和1年司法試験刑法・設問1 (問題) 〔第1問〕(配点:100) 以下の【 […]
確かに、平成30年司法試験・令和1年司法試験の出題趣旨・採点実感では、形式的観点⇒実質的観点という流れで検討することが前提とされています。そのため、形式的観点⇒実質的観点という流れで書いた場合、一定範囲で直接的に失点するとともに、採点官の印象が悪くなることを通じて間接的に失点する(他の答案に比べて懐疑的に答案を読まれることになるため)ことになると思われます。 しかし、大幅な減点まではないと思います。司法試験でも予備試験でも、採点方法は原則として加点方式です。配点項目に該当することを書けばその分だけ加点され、書かなければその分だけ加点されないという意味で”失点”するだけで […]
共謀共同正犯の成立要件については、教科書ごとに整理の仕方が異なるため、試験対策としてどのように整理すればいいのか悩ましいところです。 以下では、複数の見解を紹介した上で、試験対策上どの見解に立つべきかと、答案を書く際の留意点について説明しております 1.共謀共同正犯の成立要件 共謀共同正犯の成立要件については、複数の理解があります。 以下では、著名な基本書・参考書で紹介されている要件整理について紹介いたします。 1つ目は、実行共同正犯と共謀共同正犯の成立要件を、①共謀+②共謀者の全部又は一部による共謀に基づく実行行為+③正犯性という3要件により統一的に理解する見解です(大塚裕史ほか「基本刑法Ⅰ […]
ご指摘の通り、総まくりテキスト・論証集では、右余白に「判例は、委託物横領罪の成立を認めている」とメモ書きをした上で、委託物横領罪の保護法益論から委託信任関係の要保護性を否定することにより委託物横領罪の成立を否定しています。論文試験では、総まくりテキスト・論証集の枠内の論証の立場に立った方が良いと思います。そのほうが、委託物横領罪の保護法益論という問題意識について正面から論じることができるからです。 刑法では、民法と同様、論理の繋がりが重視されており、判例に言及することはさほど重視されていないので、(事例1)については、「肯定説⇒否定説」という流れで論じているので、判例に明示的に言及する必要はな […]
自分でいちから論証を作成したり、記憶の負担の軽減や加点密度の向上のために既存論証を短くする際、「理由付け」と「規範」(又は解釈の結論)の論理的な繋がりを過度に意識するべきではありません。 一部の論点・出題を除き、論証の理由付けの丁寧さと正確性は、採点上さほど重視されていない上、自分なりにどんなに論理を繋げようとしてもどうせ論理が飛躍することになるからです。 したがって、論証を作成・加工する際、「理由付け」と「規範」(又は解釈の結論)との間の論理を完全に繋げようとする必要はありませんし、答案を書いている際にどうしても時間が無い場合にはある論点の理由付けを丸々飛ばしても構いません。 もっとも、論証 […]
加藤ゼミナールは、加藤喬講師が代表を務める予備試験・司法試験のオンライン予備校です。
弁護士(第二東京弁護士会)
加藤ゼミナール代表
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 卒業
2014年 労働法1位・総合39位で司法試験合格
2021年 7年間の講師活動を経て、「法曹教育の機会均等」の実現と「真の合格実績」の追求を理念として加藤ゼミナールを設立
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