令和2年司法試験労働法の解説講義を無料公開いたしました

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講座提供元でのアップロード作業及び販売ページ作成が間に合っていないようなので、司法試験まで3週間を切っていることを踏まえて、令和2年司法試験「労働法」第1問・第2問の解説講義を無料で公開いたします。

誤解のないように申し上げますと、現在販売中の労働法過去問攻略講座の解説対象は平成18年から令和1年の問題までですから、令和2年分について無料公開することについては、さほど大きな問題はないと認識しております。

もし不快に思われる方がいましたら、緊急の必要に基づくやむを得ない措置であるとして、ご理解頂けますと幸いでございます。

 

令和2年司法試験労働法 第1問 

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令和2年司法試験労働法 第2問 

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令和2年司法試験労働法で出題された論点の多くは、令和3年の司法試験では出題されませんから、論点単位での狭いことを学ぶのではなく、論点の違いを跨いでも活かせることを学んで頂きたいと思っております。

例えば、第1問で出題された2つの論点は、労働法速修テキスト講義でAランクに位置づけた上で、最高裁判例の事案及び要旨のポイントまで取り上げているものでした。特に、賃金債権の放棄の意思表示の有効性については、3つの考慮要素についてまで、ブルーの太マークの指示をしていました。ここから、Aランクの重要論点のうち、速修テキストで判例の当てはめのポイントまで取り上げている論点については、当てはめレベルのことまで問われる形で正面から出題される可能性が高いから、講義中の指示に従って当てはめレベルのことまで勉強しておくことが望ましいという、インプットの方向性を掴むことができます

また、第1問の事案は、テックジャパン事件を元ネタにしているため、シンガー・ソーイング・メシーン事件の事案にはない特殊な事実を含んでいます。それが、月間総労働時間が月ごとに140時間から180時間の間で変動することに伴い、月ごとの本件割増賃金請求権の額も月ごとに相当大きく変動するという事実です(問題文33~35行目)。この事実から、Xが入社時点において事前に将来発生するであろう割増賃金請求権の有無及び額を認識することは相当困難であるということをイメージすることができます。この問題文のヒント(事実)からイメージした当てはめをすることができるよう、割増賃金請求権の放棄の意思表示の有効性に関する判断の考慮要素として、シンガー・ソーイング・メシーン事件が着目していた㋐労働者の地位、㋑放棄に対応する利益及び㋒放棄の時期・方法に加え、㋓放棄する賃金債権についての労働者の認識の有無・程度も導くことになります。これが、問題文のヒントからイメージした当てはめから逆算して抽象論を導くテクニックです。このテクニックを使えば、割増賃金請求権の放棄の意思表示の有無又は有効性に関するテックジャパン事件の当てはめを知らなくても、考慮要素として㋓を導くことができます。

そして、第1問では、論点が2つしかないため、いずれの論点についても、問題文の事実を網羅するくらいの気持ちでねちっこい当てはめをする必要があります。例えば、仮に問題文中のA、B、C及びDという事実のうち、Dという事実だけで放棄の意思表示が認められないとの結論を導くことができるとしても、問題文中に放棄の意思表示に関する事実としてA、B及びCも存在する以上は、これらの事実の摘示と評価にも配点があるわけですから、結論を導く過程でA、B及びCについても摘示と評価をすることにより当てはめを使う必要があります。

第2問では、設問1と設問2の関係性については、再度の出題可能性に備えて、しっかりと理解しておく必要があります。この出題形式は、他の事案、他の不当労働行為との関係でも、出題される可能性があります。

また、第2問では、A社が主張している団体交渉拒否の理由のうち、組合員名簿の不提出及び二重交渉のおそれの2点は、現場思考問題に属するものですが、A社の言い分とE組合の言い分を読むことにより問題の所在を把握することができるとともに、出題者側が求めている当てはめをイメージすることができますから、これを通じて書くべき抽象論を導くことができます。ここでも、問題文のヒントから問題の所在と抽象論を導くテクニックが使えるわけです。

A社が主張している団体交渉拒否の理由のうち、労働組合の自主性要件に関するものは、Bランクのややマイナーな論点に属するものですが、問題文に自主性に関する事実がナンバリング付きで9行近くも書かれていることから、”本問では”自主性要件に関する論点に大きな配点があることが分かります。まずはこうした問題文の読み方ができるようになる必要があります。その上で、問題文中の①ないし⑥の事実を全て使い切るくらいの気持ちで丁寧な当てはめをすることになります。これは、問題文の読み方当てはめの姿勢に関することです。

令和2年司法試験労働法についてこのように分析することで、勉強の方向性、答案の書き方、問題文の読み方、現場思考論点における対処法など、論点の違いを跨いで活かせることをたくさん学ぶことができます。

令和3年以降の司法試験、さらには令和4年以降の予備試験対策としても、参考にして頂きたいと思います。

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講師紹介

加藤 喬 (かとう たかし)

司法試験・予備試験講師
6歳~中学3年 器械体操
高校1~3年  新体操(長崎インターハイ・個人総合5位)
青山学院大学法学部
慶應義塾大学法科大学院(既修)
労働法1位・総合39位で司法試験合格(平成26年・受験3回目)
合格後、辰已法律研究所で講師としてデビューし、司法修習も終え、現在は、資格スクエア・BEXAで基本7科目・労働法のインプット講座・過去問講座を担当

(開講中の講座)
・秒速・総まくり2021
・秒速・過去問攻略講座2021
・労働法速修テキスト講義・2019年リニュ
 ーアル版
・労働法過去問攻略講義・2019年リニュー  アル版
・労働法事例演習解説講義・2020年リニュ
 ーアル版
・令和3年合格目標加藤ゼミ

(執筆)
・「受験新報2019年10月号 特集1 合格
 答案を書くための 行政法集中演習」
 (法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 令和元年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成30年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成29年」
 行政法(法学書院)
・「予備試験 論文式 問題と解説 平成23~
 25年」行政法(法学書院)

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